しつこいようですが、まずはおさらいです。

「関係代名詞」は、「先行詞が人間であるかどうか」という点と、「関係代名詞が関係節の中でどんな格の働きをしているか」という点によって、以下の表のように分類されます。

関係節内での働き=「主格」 関係節内での働き=「所有格」「独立所有格」 関係節内での働き=「目的格」
先行詞=「人」 who whose whom
先行詞=「人以外」 which (whose)
(of which)
which
先行詞=「人・モノの区別なし、あるいは文脈上特定されている語」 that that

そして、前回、「目的格」の関係代名詞が使われる英文の例として、以下のものを挙げました。

3.  We  need  an  actor    ( whomもしくはthat )   everybody  can  recognize  immediately.
→ 私達は誰もがすぐに認識することができる役者を必要としている。
ところが、目的格の場合の関係代名詞は、少し注意が必要です。

まず、注意点の1つ目ですが、目的格の関係代名詞である「whom」は、現代英語ではほとんど使われません。

「whom」の代わりに「who」という主格の関係代名詞が使われることがあったり、あるいは「that」に置き換えられたりします。

次に、注意点の2つ目は、目的格の関係代名詞は多くの場合「省略」されてしまい、「whom」も「who」も「that」のどれも使われないことがよくある、という点です。
つまり、注意点1と2を合わせると、「whom」という関係代名詞はほとんど使われず、「who」や「that」に置き換えられることがあるけれども、そもそも「目的格」の関係代名詞自体が省略され、表記されないということです。

従って、上記の文は、関係代名詞そのものが省略され、以下のように表現されます。

3.  We  need  an  actor   everybody  can  recognize  immediately.
→ 私達は誰もがすぐに認識することができる役者を必要としている。

中学生など、学校のテストでは、関係代名詞の理解を深めるために、目的格の関係代名詞であっても省略されないような文が出てくることでしょう。

ですが、実際の英語の世界では(特に口語においては)、目的格の関係代名詞は頻繁に省略される、ということを覚えていくと良いでしょう。

さて、次回は、「前置詞」がくっついてくるような場合の関係代名詞についてご紹介します。

どうぞお楽しみに!