前回、以下のような問題を出しました。

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Q. 関係代名詞を使い、以下の日本語の文を英語に訳しなさい。関係代名詞が省略されるのが一般的な場合には、関係代名詞を省略せずにカッコの中に入れて表記しなさい。また、複数の関係代名詞を使うことが可能な場合には、スラッシュ(/)を使って列記しなさい。

4. 先週の金曜日のパーティーで私達に話しかけてきた男性はKenのお父さんです。

5. 僕が先日君に買ってあげたカバンはどうなったのですか?
(ヒント:「〜はどうなったのですか」は「〜に何が起きたのですか?」と置き換えて考えると良いでしょう。)

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まずは解答です。

4. 先週の金曜日のパーティーで私達に話しかけてきた男性はKenのお父さんです。
→ The man who talked to us at the party last Friday is Ken’s father.

5. 僕が先日君に買ってあげたカバンはどうなったのですか?
→ What happened to the bag (that/which) I bought you the other day?

 

次に、解説です。

おさらいですが、日本語の文を英語に訳そうとする際、「関係代名詞」が使われると思われる場合には、以下の手順を確認すると良いでしょう。

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1. その日本語の文において、「主語+述語動詞」を含んだかたまり(形容詞節)が「名詞」を修飾していることを確認する。(ただし、「主語」が含まれず、「述語動詞だけ」で「名詞」を修飾していることもある。)

2. 「形容詞節」の部分のみを英語にしてみる。

3. 「形容詞節を除いた部分」を英語にしてみる。

4. 「3」の中にある、「形容詞節に修飾される名詞(先行詞)」がどれであるかを確認する。

5. 「2」で作られた英語表現を、「3」で作られた英文の中の「先行詞」の「後ろ」に置く。

6. 「関係代名詞」を選ぶために、「先行詞」を「人称代名詞」に置き換えてみて、それを「形容詞節」の中に入れ込み「独立した1つの文」を作る、ということを 頭の中で想定してみる。その際の人称代名詞が、「主格」「所有格」「目的格」「独立所有格」のどれになっているかを確認する。

7. 先行詞が「人」または「モノ」のどちらを表す言葉であるかを確認する。

8. 「6」と「7」が確認できたら、以下の関係代名詞の一覧表から関係代名詞を1つ選び、「5」で作られた英文の中で、「先行詞」と「形容詞節」の間に「関係代名詞」を入れる。

関係節内での働き=「主格」 関係節内での働き=「所有格」「独立所有格」 関係節内での働き=「目的格」
先行詞=「人」 who whose whom
先行詞=「人以外」 which (whose)
(of which)
which
先行詞=「人・モノの区別なし、あるいは文脈上特定されている語」 that that

9. 「6」の手順の際、「先行詞」を「人称代名詞」に置き換え、それを「形容詞節」の中に入れ込み「独立した1つの文」を作る、ということを想定した際に、その人称代名詞が、「動詞の目的語」として機能している場合には、関係代名詞そのものは「省略」されることが多い。

10. 「形容詞節によって修飾される名詞」について考えた時、会話や文脈上、それが「特定されている名詞」として解釈されるならば、その名詞の前に「the」を つける。「特定されていない名詞」として解釈されるならば、「可算名詞の単数形」の場合には「a(またはan)」をつける。あるいは、「特定されていない 名詞」として解釈され、その名詞が「可算名詞の複数形」や「不可算名詞」の場合には、その名詞の前には何もつけないか、あるいは、「漠然と、全体の一部」 であることを示したい場合にはその名詞の前に「some」をつける。
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では、1つずつ見ていきましょう。

4. 先週の金曜日のパーティーで私達に話しかけてきた男性はKenのお父さんです。

まず、手順1について考えてみると、この文では「先週の金曜日のパーティーで私達に話しかけてきた」という部分が「形容詞節」となり、「男性」という名詞を修飾している、と解釈することができます。

これにより、手順2と3を考えてみると、形容詞節の部分が「talked to us at the party last Friday」となり、形容詞節を除いた部分が「Man is Ken’s father.」となります。

次に手順4と5をやってみると、「Man talked to us at the party last Friday is Ken’s father.」となります。

次 に、手順6,7、8を一気にやってみると、先行詞である「man」を形容詞節の中に入れて見ると、「he」という人(男性)を表す人称代名詞の「主格」となり、「talked」という動詞の主語であることが分かりますので、関係代名詞は「who」となります。

次に手順10について考えてみると、 「先週の金曜日にパーティーで私達に話しかけてきた男性」は、複数人いたかもしれませんが、ここでは「あの人だよ」ということをそれとなく伝えたい気持ちがあるものと解釈できますので、「特定されている名詞」ということになり、「可算名詞の単数形」である「man」の前に「The」をつけることになります。

 

次に5番目の問題ですが、これの答え合わせは次回やります。
どうぞお楽しみに!