「発音がなかなか上達しない人」の共通点として、2つ目として挙げられるのが「自分の音を自分でチェックしていない」という点です。

「自分」で音を出していながら、それを「自分」で聞いていない、ということです。

「自分の声を聞いていないだなんて、そんなことがあるはずがない」と思う人も多いことでしょう。

しかし、長年発音を指導していると、「自分の音を自分でチェックしていない」という人はかなりたくさんいるということに気がつきます。

本校でレッスンを受ける人の「およそ半分近く」の人が、「自分の音を自分でチェックする」ということが苦手です。

私の発音レッスンを受講してみれば分かると思いますが、「自分の音を自分でチェックする」ということが苦手な人は、私に指摘されるまでそのことに気がついていません。

全員必ず、言われてみて「えっ?」という顔をします。

問題なのは、むしろこの点です。

「自分で自分の音をチェックしていない」という事実に気がつかずに発音の練習をすれば、当然「合っていない発音」で練習し続けることになってしまいます。

発音がなかなか上達しない人がやらなくてはならないのは、「発音する」という練習ではなく、「自分の音を自分でチェックする」という練習なのです。

「自分の音を自分でチェックする」ということができるようになるには、たいてい時間がかかります。

何しろ、そういう人達は、「自分は自分の音をチェックできている」と思っている人ばかりなので、そもそも、自分自身のことを客観的に評価できていないケースがほとんどです。

自分を客観視できない人が、自分を客観視できるようになるまでには、当然時間がかかってしまうのです。

というわけで、次回は、「発音がなかなか上達しない人」の共通点の「その3」をご紹介します。

 

<つづく>