前回、「暗唱をする際には、常に聞いている人がいると想定しましょう」と書きました。

このことを実践するために、具体的にはどのようなことを頭の中でやらなくてはならないのでしょうか。

それは、暗唱の手前の段階の「音読」の時点でやるべきことと同じです。

つまり、「音読の心構え」を暗唱にも当てはめて考えるべきということです。

「音読の心構え」には、以下の3つがありました。

 1.スペル(文字)と発音の関連性に注意すること。
 2.英文の構造(品詞・文法項目・文型)を意識すること。
 3.英文の意味、単語の意味を捉え、そこから「映像化」しながら音読すること。

このうち、「3つ目」については、「音」と「イメージ」をつなげることが大事ですよ、という内容で、既に過去の記事にも書きました。(過去の記事はこちら。)

人が何かを理解する時というのは、必ず「映像(イメージ)」を伴っています。

つまり、「映像(イメージ)」が浮かばないものについては、いまいちピンとこないということです。

詳しくは上記の過去記事を再度お読み頂きたいのですが、人が「イメージ」を伴って何かを理解するのだとしたら、人に「伝えよう」とする側も自分の頭の中に「イメージ」を持たなくてはなりません。

自分の頭の中に「イメージ」がないことを、単に「音」にして人に伝えようとしても、相手の頭の中で「イメージ」につながりません。

 自分の頭の中のイメージ → 音 → 相手の頭の中のイメージ

という図式があるからこそ、人は「音」で人に何かを伝えることができるのです。

ということは、「暗唱」という、「自分だけでできること」をしている時には、「相手」がいるという想定をしながら、その架空の相手に「イメージ」を伝えるようにしなければならないということです。

こんなことを書くと、「そんなの当たり前だ」と思うかもしれませんが、いざ「暗唱」ということを実践してみると、意外に、その当たり前のことが抜け落ちてしまうのです。

「暗唱」は「口から音を出す」という作業ですが、単に音を出すだけでなく「イメージを伴った音を出す」という心構えが非常に重要なのです。

暗唱をやっている人は、是非、意識するようにしてみて下さい!