<前回の続き>
(『誰でも「できる人」になれる!』シリーズの記事一覧はこちら。)
前回は「how」について少し書きました。
「how」は、単独では「どうやって」や「どうすれば」という意味になります。
9つの疑問詞(who, whose, whom, which, what, when, where, why, how)のうち、「how」が最も「そうぞう力」を必要とします。
敢えてひらがなで「そうぞう」と書いたのは、「想像」と「創造」の両方の意味があるからです。
「how」に対する答えを出すには、単なる「知識」では無理なことがあります。
知っていることをそのまま答えるのではなく、知っていることをつなぎ合わせていく必要があります。
それは、色々なことを「想像」することであり、また、新しい事柄を自分の頭の中から「創造」することでもあります。
仮に、今、自分の頭の中に「A」「B」「C」という3つの異なる知識を持っていたとしましょう。
この3つは、普通に考えたらどこにもつながりがないものだとします。
そして今、何かしらの問題に対して「how」という疑問が尋ねられました。
「how」に対する直接的な答えとして、「A」「B」「C」のどれも当てはまりません。
ところが、「A」から何かを考え始めていったら、別の「D」に思考がつながったとします。
また、「B」から思考が始まって、さらに別の「E」につながったとしましょう。
さらに、「C」から思考が始まって、「F」という新たな事柄につながります。
3つの「A」「B」「C」から始まった思考が、それぞれ「D」「E」「F」という別の事柄につながり、そして、仮に、この6つが絡み合って、新たな「G」という事柄につながったとしましょう。
もしかしたら、「how」という問いかけに対する答えとして、この「G」がようやく当てはまるかもしれません。
「G」は、自分の中から出てきたものですが、最初のとっかかりは「A」と「B」と「C」の3つです。
「A」からも「B」からも「C」からも、いきなり「G」にはつながりません。
1つの「how」という疑問があったおかげで、「A」から「D」につながり、「B」から「E」につながり、「C」から「F」につながったのです。
そして、「D」「E」「F」の3つが出てきたおかげで、ようやく「G」が出てきたのです。
頭の中で、自分が初めから持ち合わせいた知識をつないでいき、形を変えて「別のもの」にしてみせる。
そういう「思考のつながり」というものを経ていくと、「自分の中に最初はなかったもの」が生まれます。
そして、頭から出てきた「G」を、今尋ねられている「how」の答えとして、「行動」に移してみます。
ところが、「how」に対する答えは1つとは限りません。
たまたま出てきた「G」が、すぐに正解となるとは限らないのです。
だから、また、思考を繰り返します。
自分が持っている知識を使い、それをつなげていき、新しいアイディアを生みだし、それを実践してみる。
「想像力」と「創造力」を使っていく。
何度もこのことを繰り返していくうちに、「how」に対する答えがいくつも出てきます。
いくつか出てきた答えをそれぞれ試してみて、その時点で最良と思えるものを選んでいく。
そうやって、「how」に対する答えを探していく作業は、とてつもない労力を要します。
しかし、「how」を使って自分自身に尋ねるという練習をたくさんしている人は、少しずつ「how」に対する答えの出し方が上手になっていきます。
これは、筋トレと同じで、誰もができるトレーニングです。
もちろん、筋トレと同じということは「決して楽ではない」ということでもあります。
だから、根気もいるし、成果が出るまでに長い時間がかかるかもしれません。
根気が足りなくて、あるいは成果が出るまで待てなくて、途中でギブアップしてしまうこともあるでしょう。
それでも、「how」を使って自分に問いかけるということをたくさん練習した人は、それだけ「考える」ということが上手になります。
そして、考えるのが上手な人は、何に取り組んでも「どんどんできるようになっていく」というご褒美がもらえます。
何も考えず、人に言われたこと、今まで自然とやってきたことをただ行うだけでは、「なかなかできるようになっていかない」という苦しみを味わう可能性があります。
だから、「why」と「how」を使って考えて、いくつも自分で答えを出しながら進めてみましょう。
筋トレをすれば誰でも筋肉がつくのと同じで、考えるトレーニングをすれば誰でも考える力がつくのですから。
誰でも「できる人」になれると信じて、考え続けることが大事です。
<つづく>
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