(『誰でも「できる人」になれる!』シリーズのこれまでの記事一覧はこちら。)
前回、私(久末)は、誰であっても、生まれ持った遺伝とは関係なく、「できる人」になれると書きました。
ここで言う「誰であっても」というのは、少し言葉が足らなかったかもしれませんが、健康な頭と身体さえあれば、という補足をつけるべきでした。お詫びして訂正いたします。
健康な頭と身体さえあれば、誰でもできる人になれる。
私は、このことを信じ続けて、英語を人に教えるという仕事をしています。
誰でもできるようになると信じることができなければ、とても人に教えることなどできません。
「できるようになる」という希望があるからこそ、人に教えることができるのだと私は思います。
さて、「どんどんできるようになっていく人」と「なかなかできるようにならない人」の違いには、いくつもの要因があるように思います。
その中で、長い教師生活の中で私なりに見つけた「一番大きな要因」というものがあります。
それは、「客観的な目で自分を観察する力」というものです。
カンタンに言えば「客観力」とも表現できるでしょうか。
この力が弱い人は、どれだけ努力の時間をかけようとも、「なかなかできるようにならない人」のままでしょう。
逆に、この力が強い人は、努力の時間に比例して、「どんどんできるようになっていく人」となります。
「客観的な目で自分を観察する力」というのは、数値化して測ることなどできません。
これを読んでいる読者の皆さんも、「はて、自分はこの力が強いのか、弱いのか、どうだろう?」と首をかしげてしまうかもしれません。
一体どういう基準で、この力が強いのか、あるいは弱いのかを知ることができるでしょうか?
以下、簡単にチェック項目を挙げてみましたので、自分自身について確認してみてください。
1. 人に何かを伝えようとした時に「わかりづらい」と指摘されることがよくある。
2. 白か黒、0か100、というように、どちらか一方に決めてハッキリさせておきたいという衝動が、たいていどんなことにもある。
3. 自分に対して批判的な意見を述べたり、自分の考えとは異なる意見を述べたりしてくる人の言うことには全く耳を貸さない。
4. 「良いか悪いか」というよりも「好きか嫌いか」という基準で物事を考えていく癖がある。
5. 他人の行動や発言を「予測する」ということがうまくいかず、後になっても「どうしてあの人がそんなことをした(あるいは言った)のか」がまったく分からないことが多い。
ざっと思いつく範囲で5つ挙げてみました。
これらの問いに「Yes」という答えが多い人ほど、「客観的な目で自分を観察する力」は弱いと言えると思います。
もちろん、これだけで人の力を知ることなどはできませんし、これらの質問への答えが、仮に全て「No」だったからと言って「客観的な目で自分を観察する力」が強いという保証もありません。
それでも、「Yes」の答えが多かった人は、まずは、そういう自分をそのまま「受け止める」ということをしてみると良いです。
「客観的な目で自分を観察する力」というのは、上記の「3」の問いにもあるように、「謙虚な心」に比例します。
謙虚な心があり、人から自分への批判的な意見に「耳を貸す」ということができる人は、たいてい「客観的な目で自分を観察する力」もあるものです。
「自分は自分」という思いが強い人ほど、「客観的な目で自分を観察する」ということが苦手です。
しかし、これができないうちは、どれだけ時間をかけて努力しようとも、「どんどんできるようになっていく人」にはなっていきません。
できるようになるかならないかの境目は、「客観的な目で自分を観察する力」をいかにして養えるかにかかっているのです。
次回は、「客観的な目で自分を観察する力」を養うには、どうしたら良いかについてご紹介していきます。
どうぞお楽しみに!
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