<前回の続き>
(『誰でも「できる人」になれる!』シリーズの記事一覧はこちら。)
前回、「できる人」というのは「予測」と「検証」をするものだ、と書きました。
事実、「予測がよく当たる」という人は、仕事であっても、勉強であっても、人との付き合いであっても、スムーズに事が進むという傾向があるように思います。
今日は、「予測する」ということについて、もう少し掘り下げて考えてみましょう。
<アメブロからの続きはここから>
「予測する」あるいは「推測する」という能力は、人間ならばたいてい誰でも持っている能力と言えます。
人間だけではありません。
人間以外の動物であっても、「予測」や「推測」をする生き物はたくさんいます。
多くの場合、「予測」や「推測」というものは、「過去の経験から学んだこと」を基準にしていると言えます。
イヌやネコなどの動物も、同じように「過去の経験」から「未来への予測・推測」をするようになります。
「昨日、公園で、ある男性がエサをくれた。今日もくれた。だから、明日もここへ来ればエサがもらえる。」
そうやって、「未来への予測や推測」をして、そのネコは実際に公園にやってきます。
このように、動物でも自然にやるであろう予測・推測のことを、ここでは「自然な予測・推測」と呼ぶことにします。
「自然な予測・推測」は、動物でもやるような予測なので、人間ならば小さな子供でもやるようになります。
「父が大切にしている万年筆を黙って使ったら、後で父に猛烈に怒られた。」
このような経験をした子供は、「万年筆を黙って使う」ということを「次に」やったら、その先に「猛烈に怒られる」ということになるだろうと「予測」します。
このような予測・推測は、「言葉」を使わずに、直感的に感じるようなものとも言えます。
しかし、人間の場合は、「自然な予測・推測」よりもさらにハイレベルの予測をすることもできます。
それは、直感的なものではなく、「言葉と思考」を使った予測・推測です。
「言葉」と「思考」を使えば、「過去から未来を予測する」という単純な予測ではなく、もっと複雑なことを予測したり推測したりすることができるようになります。
例えば、「過去から未来」を予測するのではなく、「現在から過去」を推測するということも可能になります。
■地質学者などが、現在の地層を調べることで、大昔の地球のことを「推測」する。
■殺人事件を捜査している刑事が、現場を観察して犯人像を「推測」する。
このように、「現在」を観察することで「過去」を推測する、ということが可能です。
さらに、「現在から現在」を推測する、ということもあり得ます。
■医者が、目の前の患者の症状をみて、何の病気にかかっているのかを「推測」する。
■いつもなら混雑しない道が大渋滞しているのをみて、どの迂回路ならば混雑していないかを「推測」する。
もちろん、これらは「過去に学習して覚えた知識」がなくてはなりませんが、それでも「現在」の状況に対する「現在」の原因を推測しているのです。
つまり、「言葉と思考」を使って予測したり推測したりすると、「過去から未来」だけでなく、「現在から未来」や「現在から現在」など、様々なパターンについて推測することができるということです。
このように、「言葉」と「思考」を使った予測や推測は、「自然」ではありません。
言うなれば「知的な予測・推測」というものです。
「知的な予測・推測」は、直感的なものではありません。
もちろん、「直感」も必要ですが、それだけでなく、頭の中で「言葉」と「思考」を駆使して予測したり推測したりするのです。
「知的な予測・推測」というものは、「自然」なものではありませんから、やろうと思わなければできません。
逆に言えば、「やろうとすればできる」のが「知的な予測・推測」です。
「予測をしよう」あるいは「推測しよう」という意志をもって繰り返していけば、必ず上手になります。
大事なことは、まず最初に「言葉」と「思考」を使って、色々なことを「予測しよう」あるいは「推測しよう」と思うことです。
「できるようになるのが早い人」ほど、この「知的な予測・推測」をやろうとする意欲が強いと言えるのではないでしょうか。
<続く>