<前回の続き>

(『誰でも「できる人」になれる!』シリーズの記事一覧はこちら。)

 

前回、「できる人」になるためには、「インプット」を終えたら速やかに「アウトプット」をやってみると良い、ということを書きました。

「インプット」をずっとやり続けるだけでは人は何かを身につけることはできません。

「アウトプット」をやってみて、自分のアウトプットをよく観察したら、再びお手本を「インプット」してみる。

このように、「インプット(お手本の観察)」と「アウトプット(実際に自分でやってみる)」を交互に繰り返す頻度が多ければ多いほど、できるようになっていくスピードというものが早くなります。

今日は、「インプット」をする際に、もう1つ気をつけなくてはならないことについてご紹介します。

 

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何かを身につける時に、最初に必要なことは「インプットする」ということです。

「インプット」とは、つまりは「お手本となるものを観察し、自分の中に入れる」ということです。

例えば、何か目の前にあるものをモデルにして、それを「絵」に描いてみるとしましょう。

まず必要なことは、そのモデルをしっかりと「見る」ということですね。

じっくりと見て、それから、白い紙に丁寧に描いていきます。

「見る」という行為は、すなわち「インプット」の行為です。

そして、「描く」という行為は、すなわち「アウトプット」の行為です。

 

上手に描くためには、「見る」のと「描く」のを何度も繰り返さなくてはなりません。

一度だけ見て、一気に描く、というやり方では、たいてい上手くは描けません。

「チラっと見て、少し描いて、またチラっと見て、また少し描く」ということを延々と繰り返さなくては、上手な絵は描けません。

 

ところが、目の前にモデルが見えているにもかかわらず、上手に描ける人と、上手に描けない人に分かれますね。

絵が上手に描けない人に共通しているのは、おそらく、物事を観察する際の「観点の数」が少ない、ということです。

逆に、絵が上手に描ける人は、おそらく、「観察する観点の数が多い」と言えます。

「観点の数」が多い人は、モデルを観察する時に、「普通には見えない線や形」を見ようとします。

ところが、「観点の数」が少ない人は、「普通に見えるところ」しか見ようとしません。

例えば、「リンゴ」の絵を描こうと思ったとします。

リンゴを目の前に置いて、それをパッと見て見えるのは、おそらく「全体の形」であったり、あるいは「色合い」だったりするでしょう。

しかし、それだけを観察して絵を描こうとすると、どうしてもそっくりには描けません。

そっくり同じように描くためには、「全体の形」ではないところに、「補助線」のような線を引いたり、あるいはある点とある点を結んだ線をいくつも引いて、その「距離感」を掴む必要があります。

絵を描くためには、「線」を引く必要がありますが、「線」を引く時に、線の長さ、他の線との距離感や比率など、様々な「観点」を持たなければ、モデルとはそっくりにはならないのです。

「観点の数」が多い人は、「普通には見えない線や形」をたくさん見つけることができます。

その結果、「観点の数」が少ない人に比べて、遥かに上手に絵を描くことができるのです。

「観点の数」をたくさん見つけるようにしながら「インプット」しなければ、インプットそのものの「質」が低くなってしまうのです。

その結果、いくらたくさんインプットしてアウトプットしても、なかなかお手本に近づいてはいかない、ということがあります。

物事を観察し、インプットし、自分でアウトプットする際には、「観点の数」をたくさん持つように心懸けることが大切です。

では、「観点の数」はどのようにして増やすことができるでしょうか。

次回はその辺りについて考えてみましょう。

 

<続く>