<前回の続き>

(『誰でも「できる人」になれる!』シリーズの記事一覧はこちら。)

 

4月ももうすぐ終わりです。

今年から新しい仕事を始めた新社会人の皆さん、仕事には慣れたでしょうか?

まだ一カ月ですから、たいした内容の仕事は与えられなかったかもしれませんが、ほんの一カ月足らずであっても、「できる人」と「できない人」の差は既に生じています。

同じ時間を経験しても、「どんどんできるようになっていく人」と「なかなかできるようにならない人」に分かれるのです。

それは「生まれ持った能力の差」ではなく、「できるようになるためのノウハウを実践しているか否か」という違いです。

そこでここでは、「誰でもできる人になれる」という前提で、いかにしてそれが可能となるのかを検証していきたいと思います。

 

<アメブロからの続きはここから>

 

何かを身につけようと思う時には、まず「お手本」をよく観察することが大切です。

よほど前代未聞のような難しいことでない限り、たいていのことには「お手本」が存在します。

テニスが上手になりたければ、テニスが上手な人がどうやってプレイするのか、よく観察すべきです。

ボールペン字が上手になりたければ、上手な字をよく観察すべきです。

もちろん、「観察する」というのは「インプットの行為」ですから、これだけで上達していくということはありません。

「観察した上で、練習する(アウトプットする)」ということが必要です。

 

前回は、「観察する」ということをする際の「観点の数」が大事だと書きました。

「観点の数が少ない人」は、いくら時間を費やして努力しても、「お手本」に近づいていきません。

その一方で、「観点の数が多い人」は、少ない時間であっても「お手本」に近づいていくことができます。

「同じ時間」をかけているのに、「上達の早い人」と「上達の遅い人」とに分かれるのです。

そこには「こつこつ真面目にやれば良い」などというシンプルな考え方では決して得ることのできない何かがあります。

もちろん、「こつこつ真面目」ということ自体は悪いことではありません。

しかし、「こつこつ真面目でさえあれば良い」という考え方は、「かけた時間や努力が無駄になる」という可能性があることを無視した危険な考え方であると思います。

「こつこつ真面目」ということに加え、人の成長に必要なものは「観点の数」です。

今日は、「観点の数」を増やすにはどうしたら良いかを考えてみます。

 

私(久末)は、英語教師という仕事を通じて、「観点の数」の多い人と少ない人の「違い」をずっと観察してきました。

そして、あることに気がつきました。

「観点の数が多い人」に共通しているのは、「自分のものの見方をいつまでも疑っている」ということです。

誰にとっても「今、見えているもの」は「真実」であり、疑いようのない「事実」です。

しかし、観点の数が多い人は、「今、見えているもの」とは別に、「今、見えていないものがあるのではないか」という「疑いの目」を常に自分自身に向けているのです。

自分に対して「疑いの目」を持っているのですから、「今の自分のものの見方」に満足することはありません。

「疑いの目」があるからこそ、新しいものが見つかるのです。

 

ところが、「観点の数が少ない人」をみてみると、「疑いの目」を持つどころか、「自分の見方はこれでいい」というように、「自分を肯定する」という傾向が強いようです。

自分が今見えているものに対して「疑い」を持っていないのですから、「他の見方を探そう」とは思いません。

【探そうとしなければ、見つからない。】
【探そうとすれば、見つかる。】

自分の考え方、自分のものの見方、自分自身の在り方などに対し、「疑い」を持って見つめることができれば、「他の答え」を探すことができるでしょう。

しかし、そもそも「疑い」を持っていないとすれば、「他の答え」を探そうとはしません。

「観点の数」を増やすために必要なものは、「今の自分の見方を疑う目」です。

疑う目を持って、「1つ」よりも「2つ」、「2つ」よりも「3つ」というように、「観点の数」を増やしていくことができれば、その分だけ、自分のアウトプットをお手本に近づけていくことができるのです。

こうした意識で物事を観察し、さらにそこに「こつこつ真面目に努力する」ということが加われば、必ず「自分自身の成長」となって戻って来ます。

もちろん、物事なんでも「バランス」が大事ですから、最初から「自分を疑う」しかしていない人は、逆に「自分の見方を信じる」ということの方が大切です。

ですが、「できない人ほど自分を肯定したがる」ものです。

「自分を肯定する気持ちが強い人」にとっては、「自分を疑う目」を少しでも持つことこそが、「できる人」に近づく道なのだろうと思います。

 

さて、次回は「アウトプット」の際に注意すべき点について考えてみます。

どうぞお楽しみに!

 

<続く>