英単語の発音で、日本人の多くが「勘違い」しているものがあります。

それを1つずつ紹介していくコーナーです。

 

今日の題材は「cutlery」という言葉です。

これは「フォーク・ナイフ・スプーン」といった食卓用金物を指す言葉です。

日本語でも「カトラリー」というカタカナ語でよく使われますが、これの英語としての発音は少し違います。

さあ、今日も発音の勘違いを1つ解消しましょう。

 

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「cutlery」の発音記号は[kʌ́tləri]です。

まず、この単語は、最後の「y」を取り去ると「cutler」となることに着目しましょう。

「cutler」はやや古い言葉ですが、「刃物屋」や「刃物師」といった意味の言葉です。

「cutler」の最初の「cut」は「切る」という意味の動詞ですね。

また、「cutler」の発音記号は[kʌ́tlər]となります。

最後の[ər]は、「アー」という音に近いのですが、喉の奥の方の「舌」をグッと盛り上げ、上の奥歯に舌の両サイドをくっつけるようにしたまま、「こもった音」で「アー」と弱く発音すると良いでしょう。

そうなると、「cutler」の発音は「cut」の後ろに「ラー」のような音を足せば良い、ということになるのですが、実は、少しやっかいな部分があります。

「cut」は[kʌ́t]なので、カタカナで書くなら「カッt」のようになります。最後の「t」は無声音で「トゥ」に近い音となります。

ところが、[t]のすぐ後ろに[l]の音が続く場合には、[t]と[l]の両方とも、「舌先を上顎につけた状態から発音を始める」という共通点があるため、[t]の音が、もはや「トゥ」のようにはならなくなってしまいます。

つい先週、「メドレー」の意の「medley」という単語でも同じような説明をしましたが、[t][d][l][n]の4つの音は、どれも「舌先を上顎につけた状態から始める」ようにして発音されます。

これらの発音が「2つ以上」つながるような場合には、特殊な音になる、という現象が起こるのです。

このことを過去のブログ記事でもご紹介したので、詳しく知りたい方はそちらをご参照ください。
(ブログ記事:『[t][d][l][n]の連続音』

今回の「cutler」も同様で、「cut」の最後の「t」と、その次の「ler」の「l」が連続でつながるため、「t」の部分は「トゥ」というよりも、音を飲み込んだような「ゥ」のような音となります。「t」から「ler」に移行する間、舌先はずっと上顎につきっぱなしとなります。

そうすると、「cutler」は、「カッゥラ」のようになります。真ん中の「t」の音が、「t」っぽい音にはなりません。

そして、この単語の最後に「y」をつけると「cutlery」となるのですが、この場合、最後はこもった音で「リィ」となります。

[ər]という記号の後ろに[i]という音がつくため、[r]の部分と[i]の部分が合体して「リィ」のようになるのです。

まとめると、「cutlery」は、「カッゥラリィ」のようになります。

しかも、「ler」の部分は「L」の音であり、最後の「ry」の部分は「R」の音なので、どちらも同じようなラ行の音で発音するのではなく、「L」と「R」を区別しなくてはなりません。

というわけで、「カトラリー」とカタカナで発音しても、実際の英語の発音とはだいぶ違ってしまいます。

是非覚えておいてくださいね。

 


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