「苦手なこと」を克服していくためにはどうすれば良いでしょうか?

私は日々英語を教えながら、まさに「苦手なこと」に直面している生徒の姿を見続けています。

「苦手なこと」を克服し、上達していき、すっかり自分のものとしてしまう。

そんな姿を夢見ながらも、なかなか上達していかない自分がはがゆい、という人も少なくないでしょう。

その一方で、「苦手なこと」をどんどん克服していく人も世の中にはいます。

このコーナーでは、どうすれば苦手なことを克服していけるのか、いろいろな観点で考えてみようと思います。

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仕事でもなんでも「要領よくこなす」というのが、できる社会人としては理想の姿と言えるのではないでしょうか。

「労多くして功少なし」では「要領が悪い」ということになってしまうので、その逆、
「労少なくして功多し」となるようにしたい、そう考える人は多いと思います。

確かに、仕事ができる人は要領がよく、無駄な動きをしていないように見えますね。

しかし、仕事ができる人は、最初からずっと要領がよかったのでしょうか?

たぶん、違います。

誰だって最初から要領よく仕事をこなせるはずがありません。

最初は、要領が悪く、全体像も見えず、何から手をつければ良いかも分からず、無駄な動きもしつつ、必要以上に時間をかけていたはずです。

そこには「要領のよさ」などは存在しません。

「泥にまみれる」という辛い時間があるだけです。

しかし、泥にまみれていくうちに、少しずつ、少~しずつ、「要領」というものがつかめてくるのです。

何年も上の先輩が仕事を要領よくこなしているのを見た新人が、いきなり「要領よく仕事をこなしたい」と思っても、それは無理というものなのです。

なぜなら、「要領」というものは、「たくさんの量」をこなして、泥にまみれたその先にこそ、見えてくるものだからです。

「泥にまみれるのはイヤだ、今すぐ要領よくなりたい」と願っても、結局は「泥にまみれる」ということをしなければならないのです。

先輩達も、今の自分が要領よくこなしているからと言って、その「要領のよさ」の部分だけを切り離して後輩に教えようとしてもダメです。

「要領のよさ」を自分で獲得できているのは、自分が「量」をこなしてきたからであって、「量をこなしていない未熟者」には、いくら言葉で「要領だけ」を伝えたとしても、真に理解して実践することなどできないのです。

苦手を克服していくには、この「量をこなす」ということが、初期の時点でとても重要です。

「量をこなす」のと「上達する」のが最初の頃は比例しないので、まさに「泥にまみれる」という感じになりますが、それが当たり前。

「泥にまみれる」のは辛いし、苦しいし、プライドも傷つきます。

しかし、「泥にまみれる」のが嫌だと言って途中でやめてしまえばそこでおしまい。

それ以上に成長することはありません。

「泥にまみれる」ということを受け入れ、「なかなか成長しないなぁ」と思いながらも続けた人だけが、「要領よくこなしていく」という術を身につけていくことができるのです。

「苦手を克服する」ということは、「泥にまみれる」という覚悟をするということなんですね。

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