<前回の続き>
だいぶ長くなったこのシリーズも、いよいよ終盤に入ってきました。
英語を身につける、ということは、単なる「知識のつめこみ」ではなく、毎日の「個人トレーニング」を実践してはじめて成せることと言えます。
人には得手不得手というものがありますが、以下の4つをざっと見て、自分のどこが弱いのかを見比べてみましょう。
1. 発音と文字に関する理解と知識
2. 正しく発音するためのトレーニング
3. 文法に関する理解と知識
4. 単語やイディオムに関する知識
前回までは、このうちの「3」までをお話しました。
「1. 発音の知識」「2. 発音の技術」「3. 文法の知識」までをしっかりこなしたとしたら、あとは「4. 単語の知識」を増やしていけば完成と言えそうです。
今日は「単語の知識」つまり「語彙力」の学習方法について書きます。
語彙(ごい)の学習は、学習者のレベルによって、段階毎に変えていくと良いと思います。
レベルで分かり易いのは「英検」です。
まず、ほとんどゼロに近い人に関しては、英検「4級」もしくは「3級」の単語を学習すると良いでしょう。
この辺りの単語は、英語を扱う上では必須となる「基本中の基本」と言えます。
「3級」で物足りない人は「2級」を目指すと良いでしょう。
ここまでの単語を知っていれば、英語での「基本的な会話」には事欠きません。
そして、もう少し踏み込んだ会話をしたいと思ったならば、「準1級」あたりの単語を学習していくのがオススメです。
準1級の単語は、おそらくネイティブたちが日常で普通に使う単語の70~80%近くはカバーしていると思われます。
もちろん、日本人の日本語レベルが個人個人によって異なるように、教養レベルの高い英語ネイティブと、そうでない英語ネイティブでは語彙力が異なるという点は忘れてはいけません。
その上で考えても、準1級程度の英単語を知っていれば、日常的なコミュニケーションで困ることはあまりないでしょう。
そして、準1級の語彙もある程度身につけ、TOEICで900点を超えるようになってきた人は「1級」の単語に挑戦すべきと思います。
教養のあるネイティブならば普通に知っていると思われる単語が英検1級の単語です。
なお、ここで言う英検のレベルというのは、「その級に合格しているかどうか」という観点で見るべきではありません。
例えば英検2級に合格しているからと言って「2級の単語をほぼ全て知っている」というわけではありません。
英検の合格基準は、5~2級でおよそ「60%正解」となっています。準1~1級は「70%正解」が目安です。
つまり、たとえば英検2級に合格したと言っても、もしかしたら語彙力で言えば60%程度で合格したのかもしれませんし、あるいはもっと低い語彙力でも合格できるかもしれません。
「合格か否か」という観点ではなく、そのレベルの単語を「身につけたか否か」という観点で語彙学習にのぞむと良いでしょう。
いずれにせよ、「単語」というのは大事ですね。
英語が通じない、英語でうまく伝えることができない、という場合に「単語を知らない」ということが決定打となることは多々あります。
もちろん、日本人からすれば英語は「外国語」なのですから、「知らない単語は知らない」とはっきり伝えてしまえば良い、という場合もあり得ます。
しかし、コミュニケーションというものは「お互いの努力」によって成立するものであって、「外国語なんだからしょうがないだろ」と割り切ってしまう姿勢はよろしくありません。
語彙の学習は、上のレベルに進んでも、いつまで経っても「これでオーケー」という感覚にならないものと言えますが、少しずつやっていけば、必ず増えていくものです。
さて、次回は、語彙の学習方法についていくつかご紹介します。
どうぞお楽しみに!
<続く>
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