<前回の続き>
前回は「語彙力(=単語力)」のレベル分けについてざっと説明しました。
語彙力のレベルは学習者個人個人によって異なります。
自分のレベルに合わせて、どのあたりの単語を目標とするのかを明確にしてから学習し始めましょう。
さて、今日は単語の学習の実践的なやり方にについてご紹介します。
が、その前に、ちょっと心構えについて。
単語学習は、音声学習や文法学習とは違い、「かなり強引にやる」しかないというところがあります。
覚えては忘れ、また覚え直しては忘れ、ということを延々と繰り返すことになります。
それを覚悟した上で取り組もうという姿勢が必要となります。
では、具体的なやり方について見てみましょう。
単語の学習方法には、大まかに以下のような分類が挙げられます。
1. 覚えたい英単語に対応する「日本語の単語」と1対1でつけあわせていく。
2. 覚えたい英単語が使われた「例文」を丸ごと覚えていく。
3. 覚えたい英単語が含まれているような「本」や「雑誌」などを次々と読んでいく。
他にもあるかもしれませんが、まずは上記3つのどれかを試してみると良いと思います。
まず、「1」については、市販の「単語集」のようなものを使います。
1つの単語について、代表的な「日本語の単語」を1つだけ対応させていくと言うことです。
このやり方が特に有効なのは、英検で言うなら5級や4級といった初期レベルです。
「Monday=月曜日」「rabbit=うさぎ」というように、1対1で対応させていくことで特に問題は生じないでしょう。
だんだん上級になっていくと、英語と日本語が「1対1」で対応するような単語ばかりではなくなってきます。
1つの英単語が、日本語にするといくつもの意味になってしまう、というものがたくさん出てくるのです。
ですが、英検5級から4級程度ならば、ほとんどそんな心配をしなくても良いでしょう。
やり方としては、単語集を買ってきて、「英単語」の部分だけを見て、「日本語の意味」の部分を紙か手で隠しておきます。
そして、英単語を見て、すぐに日本語の意味を「声に出して言う」ということをやります。
「声に出して言う」をやったら、今度はすぐに紙や手をどけて「正解」を見ます。
そして、この時、片手には「黄色の蛍光ペン」があると良いでしょう。
「正解しなかった単語」に、上から黄色の蛍光ペンで塗りつぶします。
日本語の意味は、「カン」で構いません。
まぐれで当たった、ということでも良いのです。
このような一連の流れを、ざ~っとやっていきます。
単語集の1ページに単語が「10個」あるなら、その10個の英単語を見てすぐに日本語で言う、ということを、そう、それぞれ1~2秒のペースでやっていくのです。
「日本語を隠して英単語を見る」→「日本語の意味を声に出し言う」→「間違っていたら黄色で塗る」→「次の単語へ進む」
こんな調子でずっとやっていきます。
過ぎた単語はもう気にしません。
1単語につき1回ずつ、どんどん進んでいきます。
もしも「黄色だらけ」になってしまったとしても、何も気にする必要はありません。
とにかく、ひたすら、機械的にやっていきます。
時間にして、5分もあればかなりの分量をやれますね。1ページに10個の単語なら、15ページくらいは行くでしょうか。
時間を予め決めておいて、5分なら5分経ったところでやめます。
これで今日はおしまい。
でも、明日、また同じ所をやります。
翌日は、今度は、ピンクの蛍光ペンを使います。
やり方は前日と同じ。
「日本語を隠して英単語を見る」→「日本語の意味を声に出し言う」
ここまでは同じですが、今度は、「正解したらピンクで塗る」ということをやります。
前日に正解していたところにはもちろん、昨日「黄色」で塗って不正解だったところにも、「今日、正解していたらピンクで塗る」ということをしていくのです。
「黄色」の上から「ピンク」を塗ると、それは「オレンジ」っぽくなります。
そうやって、
「日本語を隠して英単語を見る」→「日本語の意味を声に出し言う」→「正解したらピンクで塗る」→「次の単語へ進む」
ということをガンガンやっていきます。
これまた、前日と同じ分量なので、5分で終わります。
この日もこれを1回やっておしまい。
でも、また翌日も同じ事をやります。
たぶん、5分もあれば、1つの単語にかける時間を2秒としても、「150個」の単語をこなすことができます。
「同じ150個の単語」を毎日繰り返します。
いつまで繰り返すかというと、だいたい「90%以上がピンクかオレンジに塗られるまで」ということになります。
目安としては、およそ一週間を見ておくと良いかもしれません。つまり「7日間」。
1日に2回やっても構いません。
1回終わってすぐもう1回でも良いです。
1回終わって、同じ日に、時間を空けてからやるのでも良いです。
ペースは自分で決めて構いません。
7日間で終わらなくも構いません。
ですが、守るべきは「同じ単語を何度も繰り返す」ということです。
是非やってみてください。
このやり方の根拠については、また次回ご説明しますね。
どうぞお楽しみにっ!
<続く>
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