<前回の続き>
英単語の学習は、「無理矢理」にやる必要があると前回書きました。
実は私(久末)も単語には苦労しています(笑)
もっとしっかり単語を学習していけば、もっとコミュニケーションが楽になるのになぁ、といつも思っています。
しかも、せっかく覚えた単語も(歳のせいか)どんどん忘れてしまうという悲しいことになっています。
「覚えては忘れ、また覚え直しては忘れ」ということを延々繰り返すうちに、使用頻度の高い単語は忘れにくくなっていくのだ、ということを肝に命じてから始めると良いでしょう。
さて、前回、英単語の学習方法として、以下の3つをご紹介しました。
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1. 覚えたい英単語に対応する「日本語の単語」と1対1でつけあわせていく。
2. 覚えたい英単語が使われた「例文」を丸ごと覚えていく。
3. 覚えたい英単語が含まれているような「本」や「雑誌」などを次々と読んでいく。
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このうち、前回は「1」について、具体的なやり方をご説明しました。
このやり方は、「短期間で大量の単語を覚えられる」という利点があります。
もちろんデメリットもありますが、ここではとにかく利点を最大限に捉えることにしてみましょう。
例えば、1ヵ月で600個の単語を覚えようとしたとします。
ここで、よくやってしまう間違いは「1日あたりの個数」を割り出してしまうこと。
「1ヵ月で600個」ということは「1日あたり20個」だな、という計算をしてしまってはいけません。
「1日あたり20個」という計算で1ヵ月やれば、それはもちろん、理屈の上では「600個」に到達するでしょう。
しかしそこには「人は忘れる動物である」という大前提が含まれていません。
いくら初日に20個を覚えても、おそらく30日目頃にはすっかり忘れてしまっていることでしょう。
そこで、前回ご紹介したように、「同じ単語を7日ほど繰り返す」というやり方が有効となります。
1ヵ月で600個を目指すなら、「1週間で150個」を目標にしましょう。
「1日に20個」だと、2日目には「1日目の20個」はもうやらないことになってしまいます。
しかし前回のやり方であれば、「1日目に150個、2日目にも同じ150個、3日目にも同じ150個・・・」というように「同じ150個を7日間繰り返す」ということになります。
どうしてこのやり方が良いのでしょう?
人の記憶には「短期記憶」「中期記憶」「長期記憶」の3つがあるようです。
「短期記憶」とは、例えば、「コーヒーを飲もうとしてキッチンに行く」ような場合に、キッチンについてから「何をしに来たんだっけ?」ということを思い出すような記憶のことです。
数秒から数日で消えてしまうのが「短期記憶」というものです。
これに対し「中期記憶」とは「1週間から1ヵ月」の間持続するような記憶のことです。
さらにそこから「長期記憶」となれば、「何年経っても忘れない」というものへと変わります。
「短期記憶」から「中期記憶」へ、そして「中期記憶」から「長期記憶」へ移行させて行くには、「エピソードやストーリーと一緒に覚える」か、あるいは「反復する」かの2通りしかありません。
1つの単語を「1日だけ繰り返す」のと「7日間繰り返す」のとでは、「同じ量」であっても、その「効果」が全然違います。
「毎日新しい単語を1日20個ずつ覚える」というやり方よりも、「同じ150個の単語を7日間繰り返す」という方が何倍も効果があるのです。
「1週間で150個」をこなしていけば、「4週間=28日」で「600個」の単語に触れることになります。
そして、残りの「2日」で総復習でもやれば良いでしょう。これで「600個」の単語学習が完了です。
ただ、総復習をしてみて、それでもやっぱり「忘れてしまった単語」というものが出てくるはずです。
でも冒頭でも述べたように「人は忘れるのが当たり前」なのです。
600個を覚えた、と言っても、また時間が経てば少しずつ記憶は失われて行きます。
そういう「忘れっぽい自分」と向き合いながら、それでもめげずに続けていくことが大切なんですね。
高校受験、大学受験、TOEIC、英検など、各種の試験に向けて語彙力アップを図ろうとする時には、是非このやり方を念頭にやってみてください。
<続く>
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