私は授業中、よく生徒達に「頭の中でつなげましょう」「つながりを見いだしましょう」と言います。
なぜそんなことを言うかというと、発音や文法を「その場限りの単独のもの」として捉えてしまっている人が多いからです。
昨日のブログ記事(こちら)でも書きましたが、「つながりを見いだす」ということをしない限りは、「意味を見いだす」ということもできません。
自分が取り組んでいること(例えば、発音の練習や文法項目の理解)について、それが「他のどんなこととつながるのだろうか?」と自問しないでいれば、当然つながりは見えてきません。
長年、人に英語を教えるという仕事をしてきて、「すんなり上達する人」と「なかなか上達しない人」の違いというものが、ぼんやり分かってきたように思います。
その違いにはいくつかあるのですが、そのうちの1つに、「今やっていることが、他のどんな事柄につながるのかを考えているかどうか」ということが挙げられます。
他の事柄につなげて考えていく人は、たいてい自分を客観視することに長けていて、上達も早い。
しかし、自分がやっていることが、他のどんな事柄につながっていくのかをほとんど考えていない人は、たいていは主観が強く、客観的な見方が苦手で、そのため上達も遅い。
「頭の中で、1つの事柄から別の事柄へとつなげていく」というのは、簡単に言えば「考える」ということです。
「つなげる力」や「考える力」を養おうとしないで、ただがむしゃらに「努力」だけをしていても、悲しいことに「成長」がなかなか見えてきません。
「覚えよう」とするのは大変結構なことですが、「他の事柄とのつながりをたくさん見いだす」ということをした上で覚えるならば良いのです。
できる人は、こんなことは言われなくても当たり前にやっています。
ところが、努力してもなかなかできるようにならない人は、「覚えよう」という気持ちが人一倍強く、「他の事柄とつなげよう」という観点が全くないことがあるのです。
1つの事柄から、それがどんな事柄につながるのか探してみる。
そして、つながる先が1つ見つかったら、それとは別の事柄を探してみる。
そうやって、1つの事柄からいくつもの別の事柄を頭の中で探してつなげてみる。
そして、次に、そのつながった先から、さらに別の事柄をいくつも探してつなげてみる。
まるで、1つの事柄から始まって、蜘蛛の巣のようなネットワークを作り上げていくようなものです。
それは「脳の構造」と同じであり、あるいはインターネットや人脈といったものとよく似ています。
「単体」ではその場限りで終わってしまうことでも、「つなげていく」ことによって大きな力となる。
「できる人」は、頭の中でそういうことをしているはずなのです。
成長を望むならば、「今やっていることがどこにつながるのか?」と自問する意識を失わないようにしたいものです。
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