このブログテーマ、本当に久しぶりです。
「英語を身につけるには暗唱が良い」ということを主張するこのコーナー。
なんと、2013年3月27日の記事を最後に、実に9ヵ月も放っておいてしまいました!
もう前回の続きなんて全然覚えていない、という人もいらっしゃるでしょうから(といううか私も覚えていません)、軽くおさらいから入ります。
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人が母国語で何かを話をするとき、不思議なことが起きます。
それは、
『口から音が出るのと同時に、文が出来上がっていく』
ということです。
決して「頭の中で文が出来てから、口から音になって出ていく」のではありません。
「口から音として出る」のと「文が出来上がる」のが、ほとんど同時に進行しているのです。
ところが、これが「外国語」になると、とたんに違ってしまいます。
「先に頭の中で文ができてから、後で口から音になって出ていく」という「時間差」が生まれてしまいます。
母国語と外国語(初期)とのこのような違いはどうして生まれるのでしょうか?
その答えのヒントは「音」です。
私たちは、日頃から自分の生活圏で使われる「言語の音」を毎日たくさん聞いています。
たぶん、母国語ならば「1日に6時間程度」は耳にして生活しているはずです。
そして、その「音」というのは、単なる「単語の羅列」ではなく、意味を持った「文」という形での音です。
「文」というものが出来上がっているとしたならば、その中には「法則」が含まれています。
「田中さんはコンビニまで行ったけど、何も買わなかった。」
という文があったとしたら、「行った」は「行く」という言葉が変化したものですし、「買わなかった」は「買う」という言葉が変化したものです。
また、この文の単語を並べ替えて、たとえば「けど何も行ったまで買わなかったコンビニは田中さん。」などとしてしまえば、意味がまるで通じません。
正しい単語の変化、正しい単語の並べ順になってこそ、人に伝わる文が出来上がるのです。
さらには、私たちが日頃耳にしている「言語の音」の中には、「文字と音に関する法則」なども含まれていることでしょう。
人が話した音を聞いて、即座に頭の中で「文字(ひらがなや漢字など)」に置き換えることが可能です。
つまり、「言語の音」の中には、「単語の変化」「単語の並べ順」「文字と音」などに関する「法則」が含まれているのです。
そうした一切合切の「法則」を含んだ文を、「音」として耳からたくさんインプットしていくと、人間は、そこから「法則」だけを脳に学習させていきます。
さらに「アウトプット(口から音にして出す)」という行為をしていくうちに、だんだん、頭の中の「法則」と「口」がつながっていくのです。
頭の中に「法則」を持っていて、それが「口」と直結しているから、「文を作る&音にして出す」ということが同時進行でやれるようになるのです。
言語の学習において「音読」や「暗唱」が良いと言われているのは、「音のインプット」と「アウトプット」を繰り返すことにより、頭の中にその言語の「法則の回路」が出来上がっていくからです。
その法則の回路は、学習者本人には全く意識はないかもしれませんが、数をこなし、時間をかけて繰り返すうちに、だんだんと「口」と直結して働くようになります。
私たちが母国語を話す際に、「文を作る」のと「音にして出す」のを同時に行えるのは、頭の中の「法則の回路」と「口」が直結しているからです。
このつながりが希薄な外国語学習の初期の頃は、どうしても「まず頭の中で文を作ってから、その後で口から音にして出す」というタイムラグを生じさせてしまう、ということです。
と、いうわけで、やっぱり英語学習には「音読」や「暗唱」だ、ということになるのです。
このシリーズ、また書き始めようと思います。
英語を身につけようとしている人、あるいはこれから始めようと思っている人は、是非「音読」や「暗唱」を取り入れてみてください。
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