<前回の続き>

(「子供向けの英語教育について」の過去記事一覧はこちら。)

 

前回は、子供に英語を習わせ始めるタイミングに関する私(久末)の私見を述べました。

今の日本では、本格的に英語を学び始めるのは中学校に入ってからです。

2013年以降、既に小学5年生と6年生で「外国語活動」という名前の授業が取り入れられているようですが、指導教材はあっても正式な「教科書」は存在せず、また数字による成績評価もありません。つまり「テスト」もありません。

小学校での「外国語活動」は、要するに「ゲーム」や「遊び」のような感覚に近いものであり、本格的な英語学習とはまだまだ言えないようなもののようです。

というわけで、本格的な「お勉強」として英語の授業が始まるのは、今はまだ中学校に入ってからと言えます。

 

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個人的には、私は「中学校の英語」をきちんとやることが、将来、英語を使って仕事ができるほどの英語力を身につけることにつながると思っています。

もちろん、中学校の英語の授業に対する課題や批判的な意見はよく耳にします。

教員自体が「英語を使ったコミュニケーションが上手にできない」というケースもよくあります。

音声を使った学習もほとんど行われないという問題点もあります。

しかし、中学校で習う英語は、英語の世界の基本となります。

事実、文法という範囲だけで言えば、中学校で習う英文法だけで、「世界の7割近く」の英文を解釈することができるようになります。

極端な話、中学校の英語教育において、「音声学習」をたっぷり取り入れさえすれば、ほとんど理想的な授業になるのではないかと思えるくらいです。

従って、将来、大人になってからも使える英語を身につけることを見据えるならば、「中学校での英語」については、ほぼ完璧に身につけるくらいの気持ちが必要となります。

定期試験で満点(100点)を取るのは当然のこととし、それに加えて「発音」や「音読」などの音声学習を取り入れれば、英語の世界の基本を固めることは十分にできます。

 

さて、子供に英語を習わせるタイミングとしては、前回も書きましたが、「小学5年生の2学期〜6年生の夏休み前」がベストではないかと私は個人的に思っています。

では、どのようなスクールに習わせるのが良いでしょうか?

まずは「目的」をきちんと見据えることが大切です。

繰り返しますが、中学校に入ったら本格的な「お勉強」として英語を始めることになります。

ということは、少なくとも、中学校に入る直前には、「本格的なお勉強」と言えるようなものを経験させておくべきです。

今の小学校の「外国語活動」では、ほぼ「お遊び」や「ゲーム」の感覚で子供達は授業を受けています。

ところが、この「お気楽」な感覚のまま、いきなり中学校に入って「お勉強」になってしまうものですから、そのギャップに耐えられなくなってしまい、「余計に英語嫌いになった」という問題も起きているようです。

つまり、仮に小学校5年生や6年生から英語を習わせるのだとしたら、最初の入口で「遊びやゲーム」の要素を取り入れたとしても、中学校に上がる前には「お勉強」というスタイルのものに切り替わっていなくてはなりません。

もっと本音を言えば、入口の時点でも「遊びやゲーム」の要素が必要だとは個人的には思えません。

かつて、私も小学校5年生や6年生に英語を教えていたことがあります。

小学校5年生にもなれば、知的な活動を楽しんで行う能力は十分にあります。

英語を単なる「遊び」や「ゲーム」として捉えているうちは、決して「それ以上」の能力は身につきません。

小学5年生でも、きちんと指導すれば、上手に発音を覚えますし、かなり長い物語テキストも上手に音読できるようになります。

難しいと言われている文法ですら、きちんと自分の頭で考えて、理解することができるのです。

「子供だからまずは遊び感覚から」と決めつけるのは、大人の誤った判断です。

小学校5年生からも、きちんとした「発音指導」と「文法学習」を取り入れていけば、子供はどんどん英語を身につけていくことができるのです。

もしも、小学5年生から英語を習わせるのだとしたならば、「遊び」や「ゲーム」といったものを中心にしているスクールは避けるべきです。

むしろ、「中学校の英語」を先行して指導するようなスクールが良いです。

さらに言えば、「発音」をきちんと指導することができるところが良いでしょう。

中学校では英語は「1教科」として扱われますが、英語というのは、それ以前に「言語」なのです。

言語である以上、「音」を使った学習は不可欠です。

その重要性をあまり認識していないスクールは、頭でっかちの「中学予備校」のような授業に偏ってしまい、「英語が使えるようになる」という目標とはかけ離れてしまう可能性があります。

中学校の勉強を大切にしつつ、「音声」を使った学習もきちんと取り入れていること。

そういったスクールならば、小学5年生頃から英語を習わせても良いと私は思いますし、習わせることに意義があるように思います。

決して、「遊び中心」や「ゲーム中心」といったところ、あるいは「音を使わない学習中心」といったところに自分の子供を送り込まないようにしましょう。

 


 

本校では、2015年1月より、「小学5年生」「小学6年生」向けのクラスを開始しました。

「中学校で使用する教科書」を使いながらも、「本格的な発音」の指導も行っています。

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