<前回の続き>
(「心の健康を損なわないために」の記事一覧はこちら。)
新年を迎え、新たな目標を立てた人も多いのではないでしょうか。
目標に向かって一生懸命やるのは大変良いことですが、力が入りすぎて心の健康を損なわないように気をつけなくてはなりませんね。
前回、心の健康を損なってしまう原因として、「気楽にやる、ということが苦手」ということが挙げられると書きました。
気楽にやるのが苦手という人は、「気を抜いて良いところとそうでないところを見極める」のが苦手とも言えます。
この見極めは、どのようにすれば上手になるでしょうか。
今日はその辺りについて、少し考えてみましょう。
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「気を抜いて良いところとそうでないところを見極める」ためには、それなりの時間がかかることを最初に覚悟しなくてはなりません。
「ここは気を抜いて良い」とか「ここは気を抜いてはいけない」のような見極めをするには、そのことに関する「十分な経験」が必要になるからです。
十分な経験を積まないうちは、気を抜いて良いところかどうかという見極めは難しいでしょう。
例えば、「車の運転」に置き換えて考えてみましょう。
安全な運転をするには、前後左右に視線を動かし、よくまわりを観察しなくてはなりません。
ところが、人間が一度に見ることができるのは「1箇所のみ」です。
右を見て、後ろを見て、もう一度右を見て、とやっているうちに、前方不注意ということにもなりかねません。
そこで、ベテランの運転手は、「この瞬間は、ここは見ないでも良い」というポイントを無意識に(あるいは意識的に)分かった上で、敢えてそこを見ないようにします。
必要ではないところは見ない代わりに、「この瞬間は、ここは見なくてはならない」ということをきちんと実践しています。
見るべきところをしっかり見ているからこそ、安全な運転ができるのです。
しかし、免許を取り立ての初心者にはこれができません。
「右も見て、左も見て、前も見て、後ろも見て…」というように、「見よう」とする努力があるのは良いのですが、「全部を見よう」としているうちに、「この瞬間は、ここを見なくてはならない」というポイントを見逃してしまいます。
同乗している人から「こっち! 危ない!」と指摘されてしまう人は、もしかしたら、「何も見ていない」のではなく、「全部を見ようとしている」のかもしれません。
全部を見ようとしている人は、見るべきポイントの「優先順位」というものをつけていないのです。
優先順位をつけていくのもまた、「経験」が必要になります。
経験を積んでいくことで、優先順位のつけ方が上手になり、ひいては「気を抜いて良いところ」を見極めていくことも上手になります。
経験が足りないうちは、気を抜いて良いところがどこなのかがわからないため、「全てのポイントで気を抜けない」ということになってしまい、とても、とても疲れてしまいます。
私が車の免許を取ったばかりの頃もそうでした。
ちょっとそこまで車ででかけただけで、相当くたびれました。
しかし今では、何時間運転しても、あまり疲れません。
経験を積むことで、「気を抜いて良いところ」が見えてきたから、疲れにくくなったのです。
さて、「経験を積む」とは言っても、同じ時間の経験を積みながら、「気を抜いて良いところの見極め」が上手になる人もいれば、そうでない人もいます。
この違いは一体どこにあるのでしょうか?
心の健康を損ねないためにも、その違いがどこにあるのか、検証してみましょう。
この続きはまた次回!
お楽しみに!
<つづく>
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