「a few」といえば、「少しの」や「2~3の」という意味になる、ということは英語学習者ならば基本的な知識でしょう。
ところが、「quite a few」となると、「とてもたくさんの」という意味になります。
どうして、「少しの」という意味の言葉に「quite」がつくと、まるで逆のイメージの「とてもたくさんの」という意味になるのでしょう?
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まず、「a」がつかない場合の「few」についてみてみましょう。
「few」という言葉は、「ゼロではないけれど、ほぼゼロに近い」という意味を持っています。
これは、人の「感覚」によって異なります。
たとえば、「0~100」までの数直線があったとします。
「0」は「無(none)」であり、「100」が「全て(all)」だとしましょう。
「few」というのが、仮に「2」のあたりを指していたとします。
「2」という数字だけを見ると、人によっては、「2」という数字が「とても少ない」と感じることもあるでしょうし、逆に「2」という数字が「意外に多い」と感じることもあるでしょう。
「0~100という範囲で見れば、2は少ない」というのが常識的な感覚といえますが、その一方で、「ほとんど0だと思っていたら、2だなんて、意外に多いな」ということもあり得ます。
つまり、その文を発する人にとって、「2」という数字が「多い」か「少ない」かというのは、絶対的にどちらだ、とは言えないということです。
ここで「few」に話を戻します。
「few」という言葉は、上述の「多いか少ないか」という感覚のうち、「少ない」と思った場合に使われる言葉なのです。
「0~100」という数値のうち、仮に「2」あたりを指して誰かが「few」と表現した場合、それは、「2」という数字に対して、「むしろゼロに近いといえるくらい、少ない」という意味になります。
つまり、「few」という言葉が使われるとき、それは「思ったよりも少ない=ほとんどない」という「否定的」な意味になるのです。
例えば、「I saw few people in the park.」といえば、その意味は「私はその公園でほとんど人を見かけなかった。」という意味になります。
これに対し、「a」がつくと、別の意味に変わります。
「a」という言葉は、「何かしらの存在」を表す言葉です。
「a」とよく似た性質を持つ言葉として、「some」が挙げられます。
実は、「a」と「some」は、どちらももともとは1つの同じ言葉だったらしいのです。
今では使われなくなった古い言葉があり、それが現在の「a」と「some」に分かれたといわれています。
「a」も「some」も、どちらも「漠然と、何かしらの存在」を表します。
ただし、「単数名詞」に対しては「a」が使われ、「複数名詞」や「不可算名詞」に対しては「some」が使われる、ということです。
例1: I saw a fox in the park.「私はその公園でキツネを見た。」
例2: I saw some foxes in the park.「私はその公園でキツネを見た。」
どちらも、「数量的」な表現を添えるならば、「1匹の」や「何匹かの」という日本語として表現されますが、多くの場合、そのような「数量的」な意味合いはあまり強くありません。
「漠然と、存在している」ということを表す場合に「a」や「some」が使われるのです。
「a」や「some」が「存在」を表すということは、どちらも「肯定」の意味合いで使われるということです。
さて、「few」に「a」がついて、「a few」になったらどうなるでしょう?
もともと「few」という言葉は、「少ない数値」を指しておきながら、そこから「ゼロ」の方向に意識が向いて「ほとんどない」という否定的な意味を持っています。
しかし、これに「a」という言葉がつきました。
「a」というのは、前述したように「漠然とした存在」を表すのであり、ひいては「肯定」の意味を持つ言葉です。
ということは、「a few」というのは、数量的には「few」と同じくらい「少ない」ことを表しながら、その感覚が「プラスの方向」に向いた表現ということになります。
例えば「2」という数値ならば、「ゼロに近い」というマイナス方向の感覚ではなく、「数値は大きくはないが、プラスの方向に向いている」という感覚になる、ということです。
「I saw a few people in the park.」といえば、それは「私は公園で2~3人の人を見た。」という日本語になりますが、そこには「ほとんどいない」という否定的な意味合いはありません。
「a」という「肯定」を表す言葉がついたおかげで、「a few」が、「少ないけれど、いることはいる」というプラスの意味合いとなったのです。
さて、以上をご理解いただいた上で、今度は「quite」がついた場合について見てみましょう。
といいたいところですが、長くなってしまったので続きはまた今度!
<続く>
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