なんと4日連続でこのテーマ!
読者に飽きられないか心配しつつも、ここまで「修飾」という言葉についてあれこれ検討するブログ記事も珍しいのではないかと思いますので、頑張って書きます。頑張って読んでください!
というわけでいきなり本題に入ります。
「修飾」という文字の中に含まれる「飾る」という言葉。
この「飾る」というイメージと、「修飾」というイメージとを一緒にしない方が良い、というところで昨日は終わりました。
「飾る」という言葉を聞いた時、あなたはどんなイメージを浮かべますか?
どんな勉強をするのでも、「言葉とイメージ」を頭の中でつなげる作業はとても大切です。
「飾る」という言葉を聞くと、私ならば、なんとなく綺麗で、華やかで、賑やかなイメージが浮かびます。
クリスマスツリーとか、パーティーでの装飾とか、そういったイメージです。
では、「修飾」という言葉からはどんなイメージが浮かぶでしょう?
少なくとも私は「クリスマスツリー」や「パーティーでの装飾」のようなイメージは浮かびません。
綺麗だとか、華やかだとか、賑やかだ、というイメージも沸きません。
むしろ、その「逆」です。
実際に「修飾」ということを思い出してみましょう。
「彼はゆっくり私を押した。」
昨日の記事でも説明したように、この文の中にある「ゆっくり」は修飾部分です。
文の述語動詞である「押した」を修飾しているのです。
仮に、「ゆっくり」がなかったとしたらどうでしょうか?
「彼は私を押した。」
この文から、頭の中で、実際に映像を思い浮かべてみてください。
「彼」という人物が「私」という人物を「押した」のです。
これだけならば、「押した」という動作がどのようにおこなわれたのか、人それぞれ自由に映像を思い浮かべることができます。
しかし、「押した」という動作に対し、「ゆっくり」という修飾部分がつきました。
するとどうでしょう?
「彼はゆっくり私を押した。」
「ゆっくり」が入っていない文と比べて、「押した」という動作のイメージが違ってきませんでしょうか?
少なくとも、「速い動作で押した」というイメージは浮かばないことでしょう。
つまり、文を作る人間が、なにかしらの「修飾部分」をつけて表現する時には、その文を受け取る人間の頭の中で浮かべるイメージに「制限を設ける」ということになるのです。
「制限を設ける」とか、あるいは「イメージを限定する」とか、「選択肢の範囲を狭める」とか。
「修飾する」とは、平たく言えば、「イメージを狭くする」ことを意味するのです。
ところが、「飾る」という言葉からは、「イメージを狭くする」というよりも、むしろ「イメージを広げる」という印象を受けませんでしょうか?
「飾る」→「イメージを広げる」
「修飾する」→「イメージを狭くする」
これは私だけの主観かもしれませんが、「飾る」という言葉には、決して「制限する」とか「狭める」というイメージは沸いてきません。
しかし、「修飾する」という言葉に対しては「制限する」とか「狭める」というイメージが沸いてきます。
昨日の記事で、「修飾する」という言葉と「飾る」という言葉を一緒にしない方が良いとお伝えしたのはこのためです。
飾るのではなく、「制限する」「狭める」「絞り込む」というようなイメージで「修飾」という言葉を捉えておくと、後々の英文法の学習でとても役に立ちます。
例えば、「形容詞の限定用法」とか「関係詞の制限用法」などのように、「限定」とか「制限」という言葉を使った文法項目が出てきます。
この場合に使われる「限定」とか「制限」というのは、まさに「修飾する」という意味合いで使われているのです。
「修飾する」という言葉を「イメージを狭くする」という意味合いで捉えておけば、そういう難しい文法用語が出てきた時に戸惑わなくてすみます。
ただし、「イメージを狭くする」というのは、「修飾することによる効果」なのであって、修飾すること「そのもの」ではありません。
「修飾する」とは何をすることか?という問いに対しては、昨日と一昨日に書いたような「定義」をきちんと押さえておくのがベストと思います。
さあ、いかがでしたか?
英文法を学びながら、あるいは教えながら、何気なく使っている「修飾」という言葉。
一つ一つの言葉のイメージを大切にしながら、納得して勉強を進めていくと、見えてくる世界が違ってきます。
そうなると、英語の勉強がもっと楽しくなるのではないかと思います。
さて「修飾する」についてはこれでおしまい。
次回は別のテーマでお送りしますね。
どうぞお楽しみに!
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