日本語では「カタカナ」で表示されながら、そのままでは「英単語」として認識されない言葉があります。
それをご紹介していくシリーズです。
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167:「ハンガー」
洋服をかけるために使われる「ハンガー」。
これは意外にもカタカナでは通じにくい英単語の1つです。
しかも、全く違う意味に解釈されてしまうこともあるので注意が必要です。
<アメブロからの続きはここから>
「ハンガー」というのは、英語では「hanger」というスペルで書かれます。
発音記号では、[hǽŋər]となります。
カタカナで書くなら「ハァン(ガ)ァ」という感じです。
この発音は、日本人には少々難しいと言えます。
何が難しいかと言うと、[ŋər]の部分です。
[ŋ]という記号は、単語の最後に置かれる「ng」のスペルにしばしば対応しています。
例えば、「thing」とか「king」とか「long」とか。
語尾に「ng」のスペルが来る場合、その発音は[ŋ]となるのですが、この時、最後の「g」のスペルはあまり発音されません。
「あまり」というのは、ネイティブの中には「g」を発音する人もいるということなのですが、基本的には「g」は発音されません。
そうなると、「thing」は「スィン」となり、「king」は「キン」となり、「long」は「ロォン」となるのですが、気持ちとしては、軽く「グ」と言う感じで、ただハッキリとした「グ」という音にはしない、という感じなのです。
「Hong Kong」などは、「ホングコング」と発音する日本人はいないでしょう。
これも「ホンコン」という感じですが、でも、ハッキリと音にならない「グ」を軽くに言う気持ちになると良いのです。
で、この「-ng」で終わる言葉が「動詞」だった場合、その「-ng」のさらに後ろに「-er」がついた場合は、そのまま「グ」をハッキリとは言わないまま「-er」の音、つまりは[ər]の音がくっつきます。
[ər]は軽くこもって「アァ」という感じです。
[ŋ]に[ər]がくっつくと、「ガァ」というよりは、もう少し「ナ」に近い「ナァ」のようになるのですが、かといって完全に「g」の音が無くなるわけでもないのです。
「g」の音をハッキリ発音すると、別の言葉「hunger」のようになります。
「hunger」は「飢え」という意味であって、「吊すもの」の意の「hanger」とは別の言葉です。
「hu」と「ha」の部分は、当然、[hʌ]と[hæ]の違いがあるのですが、それだけでなく、「hunger」の場合は最後の「ger」の部分が[ŋgər]となり、「hanger」の場合は最後の「ger」は[ŋər]となります。
つまり、「hunger」の場合ははっきり「g」を発音すべきですが、今回のテーマの「hanger」の「g」ははっきり発音すべきではないのです。
というわけで、「hanger」は日本人には微妙に難しい発音となります。
カタカナで言ってみても通じない可能性もありますので、是非覚えておいてくださいね。
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さあ、いかがでしたか?
またランダムでお届けしますので、次回をどうぞお楽しみに!
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