今日、1本の電話がありました。

それは「英語」に関する質問でした。

電話の主は、私(久末)が過去に書いたブログ記事を読んでくださったようで、それに関して質問があるとのことでした。

珍しい電話もあるもんだな、と思いながら、英語の質問ならばお受けしないわけにはいきません(笑)

質問の内容は「クリスマス・イブ」の語源についてでした。

 

<アメブロからの続きはここから>

 

質問の内容は以下の通りです。

「クリスマス・イブ」の「イブ」というのは、英語の「evening」の意味だと思うけれど、それがどうして「前夜」や「前日」の意味になるのでしょう?

ふむ。

確かに、クリスマス・イブの「イブ」は、英語では「Eve」と書かれます。

辞書を見ると、「evening」は古い英語では「even」と表現されていたことがあり、その「even」の省略語が「Eve」である、となっています。

「Eve」が「evening」のことならば、普通は「当日の晩」を指すはずです。

しかし、「Eve」は、「Christmas Eve」や「New Year’s Eve」のように使われ、いずれも「前夜(あるいは前日)」の意を表します。

どうして「当日の晩」ではなく、「前日の晩」の意味として「Eve」という言葉が使われるのでしょう??

個人的にも大変興味のある疑問だったので、電話を切ったあと、私なりに調べることにしました。

 

調べてみると、「教会暦」という言葉と関係があるらしい、ということが分かりました。

「教会暦」というのは、「日没」を1日の始まりとする考え方です。

一般的に、我々の暦では「0時」に1日が始まり、「24時」に1日が終わりますね。

しかし、教会暦では、「日没」に1日が始まり、翌日の「日没」に1日が終わる、と考えるようです。

そうすると、教会暦で「12月25日」が始まるのは、我々の暦で言う「12月24日の日没」の時点となります。

そして、教会暦で「12月25日」が終わるのが、我々の暦でいう「12月25日の日没」になります。

この考え方からいけば、「evening」は「晩」を表しますが、「12月25日の晩」というのは、教会暦においては「1日の始まり頃の晩」となり、つまりは我々の暦でいう「前日(12月24日)の夜」ということになります。

こうして、「evening」という言葉が「Eve」として特別な意味を持つようになり、それが今の我々の暦で言う「前夜」を表すようになったのだろうと思います。

そして、「Eve」というのは「前夜」だけでなく、「前日の1日」を指すこともあります。

これはおそらく、「前夜」の意味が単に広く使われるようになっただけのことだろうと想像できます。

 

というわけで、「クリスマス・イブ」の「イブ」は、教会暦でいう「evening(晩)」を表していて、それが今の我々の暦では「前日の夜」に当たる、ということなのでしょう。

私も大変勉強となりました。

とても面白い質問をしてくださった方に感謝いたします。