「すぐにできるようになる人の共通点」について考えていくコーナー。
前回までに12個の共通点をご紹介しました。
・共通点1:客観力が高い
・共通点2:バランスが良い
・共通点3:自立心を持ち、自分で考え行動する
・共通点4:アウトプットへの移行が早い
・共通点5:自分のミスにすぐ気づく
・共通点6:思考の仕方が忍耐強く、丁寧である
・共通点7:声が大きく、字がきれいである
・共通点8:最初から極端な考え方をしない
・共通点9:失敗してもドンドン次に進める
・共通点10:ちょこちょこ、こまめにたくさんやる
・共通点11:課題を明確にしている
・共通点12:感情のコントロールがうまい
長年、人に英語を教えていると、「すぐにできるようになる人」と「なかなかできるようにならない人」の違いについて気になるものです。
<アメブロからの続きはここから>
さて、今日は「すぐにできるようになる人」の共通点の13個目です。
13個目は、「複数の事柄をつなげて見るのがうまい」という点です。
何かに取り組み始めて、すぐにできるようになる人は、「目の前の課題」だけを見ていません。
「目の前の課題」を見据えつつも、それに関わりのある「他の事柄」にもしっかり目を向けています。
つまり、「1つのこと」だけを見ながら事を進めていくのではなく、1つを起点とした「複数の事柄」を線でつなぐようにしながら事を進めていくのです。
逆に、目の前の課題だけを見て事を進めていく人は、そのこと自体もなかなかうまくいかないことがあります。
たとえば、A君、B君という2人の新入社員がいたとします。
A君は、与えられた仕事について、そのことだけを見ながら事を進めていきます。
一方、B君は、与えられた仕事はもちろんですが、その仕事が他のどこにつながっていくのか、ということを意識しながら事を進めていきます。
1点だけを見つめて集中するA君は、1年経った後でも、それほど仕事ができるようにはならないかもしれません。
しかし、1つの仕事から複数の事柄へと「つなげる」ようにしながら仕事を進めてきたB君は、おそらく、1年経つ頃には、A君よりもはるかに広い範囲で仕事ができるようになっていることでしょう。
B君は、「俯瞰的(ふかんてき)」に物事を捉えており、上から見えた全体像から、「複数の事柄」を線で結ぼうという意識を持っているのです。
しかし、A君は「俯瞰的」には物事を見ていません。
A君は、自分の目の前にある仕事が、どこの誰につながっていくのか、さらにその先にはどこの誰につながっていくのか、ということを全く気にしないのです。
英語学習も同じです。
1つの文法項目を学びながら、それが他のどの文法項目とつながるのか、ということを意識しながら学習を進めていく人は、きっと文法の理解が早いことでしょう。
しかし、1つの文法項目を学んでいる時に、そのことだけしか見ていないようならば、文法というものを俯瞰して見ることはできませんし、文法を理解するのにも時間がかかることでしょう。
また、音声学習であっても、1つの事柄だけに注意しているうちは発音も上達しません。
1つの単語の中にはいくつもの発音の要素があり、また1つの文の中はいくつもの単語があります。
発音を上達させたくて一生懸命練習していても、単語全体、あるいは文全体を捉える目を持たなければ、いつまでも「妙な発音」のまま上達しない可能性があります。
仕事であっても勉強であっても、「目の前の課題」だけに目を向けず、上から俯瞰しながら広い視野で物事を捉え、「複数の事柄をつなげよう」という意識を持つことは、自身の成長にとって大きな力となります。
その意識が欠けたまま「とにかくたくさん努力する」ということをやっている人は、せっかくの努力が「成長」という形で戻って来ないかもしれません。
そんな悲しい思いをしないように、是非、「複数の事柄をつなげる」という意識を持ってみましょう。
<続く>