日本人が英単語を覚えようとする時、当然、「日本語」に置き換えて覚えることでしょう。
しかし、単に「日本語」に置き換えてしまうと、その英単語の「本来の意味」が失われてしまうことがあります。
英単語の「本来の意味」がよく見えるような日本語に訳しておくと、実際に英語で文を作ろうとする時にとても役に立ちます。
さて、今日は「How old 〜?」という表現について考えてみましょう。
多くの日本人が「How old 〜?」を「何歳〜?」という日本語に訳しがちです。
それで意味が通じることはたくさんありますが、「何歳〜?」だと根本的な英語の意味が薄れてしまいます。
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まず、「old」という言葉自体は、「古い」や「年老いている」という意味を表します。
「古い」や「年老いている」というのは「個人の主観」に基づく表現ですから、一律同じように「古い」や「年老いている」とは言えません。
例えば、「この町の歴史は古い。」という文があったとします。
ここで言う「古い」というのは、この文を発している人からみれば「古い」のかもしれませんが、もっと長い歴史を持つ別のものと比較すれば「そんなに古くはない」ということになります。
人の年齢に関しても同様です。
「90歳の人」を指して「年老いている」と思う人は多いかもしれませんが、「100歳」の人からみれば90歳はまだまだ若い、ということも言えます。
「古い」や「年老いている」というのは、このように「個人の主観」に基づく表現と言えるのです。
さて、「old」という言葉は、「古い」や「年老いている」という場合の他にも使えます。
例えば、生後1ヵ月の赤ん坊ならば、「This baby is one month old.」となります。
ここで「old」という言葉を「年老いている」と訳してしまうとおかしなことになりますね。
あるいは、物について、「This house is three years old.」と言えば、「この家は築3年です。」となります。
この場合も「old」の部分を「古い」と言ってしまうのは不自然ですね。
つまり、「old」を単体で使う場合と違って、「old」の直前に「one month」や「three yeas」のように「数値+単位」を表す言葉がついた時には、「old」の部分が必ずしも「古い」や「年老いている」という意味になるとは限りません。
これを踏まえて、「How old〜?」の表現について考えてみましょう。
「how」というのは「程度」を尋ねる場合に使われる疑問副詞です。
つまり、「old」は「old」でも「それはどれくらいoldなの?」と尋ねたい場合に「How old〜?」という表現が使われるのです。
「How old is this baby?」
「How old is this house?」
赤ん坊の方は「何歳」と尋ねても良いかもしれませんが、家の方は「何歳」とは尋ねられませんね。
「old」という言葉は、「生まれてから(あるいは出来上がってから)時を重ねている」というのが本来の意味です。
つまり、「How old〜?」というのは、厳密に言えば、「生まれてから(あるいは出来上がってから)どれくらい時を重ねていますか?」ということを尋ねる場合に使われる表現なのです。
対象が「人」や「動物」などの生き物であり、かつ、「年(ねん)」という単位で見ているならば「何歳」という表現にしても良いでしょう。
しかし、対象が「人」や「動物」ではない場合、あるいは「年」という単位で見ているわけではない場合には、「何歳」と表現するのは不自然となります。
◎まとめ
「How old〜?」は「何歳〜?」となることも多いのですが、基本的には「生まれてから(あるいは出来上がってから)どれくらい時を重ねていますか?」という日本語に置き換えておくと良いでしょう。