今回のアメリカ旅行を通じて、感じたことがあります。

それは、「アメリカの英語」と「世界の英語」は違っているんだなぁ、ということです。

 

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私が訪れたのは、ノースカロライナ州のアッシュビル(Asheville)という街です。

たぶん、多くの日本人にとって馴染みのないところだろうと思います。

今回、私は高校時代にお世話になったホストファミリー達に会ってきました。

彼らの話す英語は、「日常で使われる英語」であり、私達が教科書で学ぶような英語とは違っています。

どう違うかと言うと、主語が抜けていたり、発音がくだけた感じだったり、スラングが多用されていたり、というような感じなのです。

簡単に言えば「きちんとした英語ではない」ということです。

そういう英語を一発で理解できるようになるのは簡単なことではありません。

私ですら、何度も聞き直すことが多々ありました。

彼らの英語を聞き直すことなく理解できるようになるには、彼らと共に生活し続けるしかありません。

何ヶ月か、あるいは何年か、現地で生活していくうちに、彼らのくだけた英語に慣れていくことでしょう。

 

これに対し、世界で使われる英語はどうでしょうか?

多国籍の人達が集まるような場で使われる英語は、実際は、これまたきちんとした英語ではないことが結構あります。

ただ、アメリカ人の英語が「正しいけれどくだけた英語」であるのに対し、世界で使われる英語は、そもそも「正しくない英語」と言えます。

多国籍の人達が世界の共通語として使っている「英語」は、文法、語法、あるいは発音そのものに誤りが多々あります。

文法、語法、発音のいずれにも間違いがなく、きちんとした英語を話す人は、世界全体で見ても、恐らく少数派ではないでしょうか。

日本人、中国人、韓国人など、アジアの人達の英語は多くの場合正しくはありません。

ヨーロッパ、アフリカ、南米など、世界の他の地域の人達の英語も同様で、正しい英語を話す人は半分もいないように思います。

それでも、世界ではそういう英語を使ってコミュニケーションが成立しているのです。

もちろん、英語である以上、ある程度の正しさは重要です。

ですが、「ある程度の間違い」もまた、あって当然のものなのです。

 

では、私達日本人が目指すべき英語とは、どのようなものでしょうか?

私自身、最初に身につけたのが「アメリカの英語」であったという経緯がありますので、アメリカの英語を悪く言うつもりはありません。

しかし、日本人が目指すべき英語は、アメリカ人達が日常で話すようなくだけた英語ではないはずです。

英語を身につける目的にもよるとは思いますが、多くの場合は、アメリカだけでなく「世界のあらゆる場面」で通用する英語を身につけたいという人がほとんどではないでしょうか?

世界で通じる英語は、「ある程度の正しさ」と「ある程度の間違い」が混在するような英語です。

「ある程度の間違い」の割合というものは、個人の努力によって減らすことができます。

そうした努力をしていくのに、場所は問われません。

別にアメリカに行く必要はありません。

日本でも十分にできることです。

文法、語法、発音を正しく学び、正しく使うトレーニングを繰り返して行けば、「ある程度の間違い」の割合も減っていくことでしょう。

そうやって、「ある程度の間違い」の割合を減らす努力を続けていくうちに、「世界で通じる英語」となっていきます。

世界で通じる英語は、アメリカでも当然通じます。

かくいう私の英語は、世界でもアメリカでも通じます。

私の英語は、「聞き返されない英語」です。

相手の英語がくだけていたり、正しくなかったりするのは、こちらの意志でどうにかできるものではありません。

しかし、自分の英語を変えることは自分の努力でできるのです。

アメリカ人がくだけた英語を話し、世界の人達が正しくない英語を話すからと言って、自分の英語までくだけていたり、正しくないままで良いのでしょうか?

くだけていない英語、正しい英語を努力によって身につけていけば、「聞き返されない英語」ができあがります。

日本人が目指すべきは、そういう「聞き返されない英語」だろうと思うのです。

 


 

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