さて、先日より「電子辞書」と「紙の辞書」のメリットとデメリットを比較しております。
「表面的な違い」に目がいってしまうと、どうも「電子辞書」が優勢と言えそうです。
しかし、「本質的な違い」に目を向けると、電子辞書の「弱さ」も見えてくるように思います。
今日は、電子辞書と紙の辞書に関して、さらなる「本質的な違い」をご紹介します。
<アメブロからの続きはここから>
電子辞書の場合、見えるのは「一画面」のみですから、1つの単語が広い意味を持つ場合、それがどれくらいの「広さ」であるかが一目では分かりません。
一方、紙の辞書ならば、1つの単語がどれくらいの文字数と紙面を使って記載されているかが一目で分かりますので、単語そのものの意味の「広さ」がイメージしやすいと言えます。
「意味の広さのイメージ」というものは、その時には自覚できないかもしれませんが、数多くの単語を調べていくうちに、少しずつ頭の中で「ああ、この単語はこれくらいたくさんの意味を持っているんだな」ということが感覚的に分かるようになってきます。
単語を扱う上で、「イメージ」というものはとても大切です。
単語そのものの意味を表すイメージもそうですが、その単語がどのような場面で使われるのかというイメージも大事ですし、その単語から得られる雰囲気のようなイメージも大事です。
紙の辞書では、そうした単語の「イメージ化」というものを助ける働きがあるように思います。
さて、紙の辞書の本質的なメリットとして、もう1つ、「例文を見つけやすい」ということが挙げられます。
電子辞書の場合、「例文」に関しては「別ページ」を開かなくてはならない場合があります。
自分が知りたい例文を探そうと思っても、たくさんある意味の中から1つ1つの例文を見るためにいちいち「別ページ」を開いていくのは結構しんどい作業です。
意味の数が多い単語の場合、電子辞書では求める例文が見つからない、という状況に陥ることがあります。
その結果、学習者にとって「辞書に載っていない」という結論になってしまうこともあるのです。
その点、紙の辞書ならば、「例文」は必ず同じページに書かれていますし、関連する意味のすぐ近くに記載されています。
文字が細かいという点は紙の辞書のデメリットではありますが、それでも「別ページにあるから見つからない」という事態になることは避けられそうです。
「求める情報をすぐに見つけられるかどうか」という点は、辞書の本質的な意義ではないかと思います。
もちろん、辞書も進化し続けていますので、そのうち例文もすぐに見つかる電子辞書というものが出てくるかもしれません。
さてさて、紙の辞書のメリットはまだあります。
続きはまた次回!
どうぞお楽しみに!