<前回の続き>
(「心の健康を損なわないために」の記事一覧はこちら。)
今の世の中、心の健康を損なってしまう人はたくさんいます。
色々なことがストレスとなり、そのストレスが心と体を傷つけてしまう。
仕事がうまくいかない。
勉強がうまくいかない。
人間関係がうまくいかない。
ホッと息抜きできる場所も時間もない。
他にも様々な状況がストレスとなって人を襲います。
このような状況に陥ってしまうのは、「運」のせいだけではありません。
たまたま与えられた仕事が難しいから。
たまたま取り組んだ勉強が難しいから。
たまたま身近にいる人達が難しいから。
自分の「外」のものが原因となってストレスが起きているのは間違いないかもしれません。
しかし、自分の「外」のものに対して、自分の都合の良いように変えることなどできません。
だとしたなら、「自分の内側」を変化させることで、これらの外部のストレスに立ち向かって行くしかありません。
ではどうしたら良いか?
これまでこのシリーズでお伝えしてきたように、「物事を観察する際の観点」を増やしていく、ということがまず最初に自分の「内側」でできることです。
「観点の数が多い人」というのは、それが少ない人に比べ、ストレスを抱え込む頻度も程度も低いように見えます。
観点の数が多いと、それだけ「バランス」も良くなります。
逆に観点の数が少ないと、どうしても「バランス」は悪くなります。
どのようなことであっても、「バランスが良い」のと「バランスが悪い」のとでは、同じ時間をかけて努力しても、結果がまるで違ってきます。
バランスが悪い人が一生懸命努力しても、得られる結果は少ないでしょう。
ところが、同じくらいの努力をした時に、その人の中での「バランス」が良ければ、その分だけ大きな成果を得ることができます。
もちろん、時には「わざとバランスを崩した方がうまく行く」ということもあります。
しかし「バランスを崩して大きな成果を目指す」というのは、大きなリスクを伴います。
心と身体の健康を保つためには、「バランスを良くする」ということがとても大切ですね。
バランスをよくするためには、少なくとも「3つの点」が必要となります。
例えば、真っ白な紙の上に、ペンで「2つの点」を描いてみます。
その2つの点の間隔は、10cmほどあけることにしましょうか。
その2つの点それぞれに「指」をあて、その2点だけで紙を下から支えてみましょう。
2つの点だけでは、きっとうまくいかないことでしょう。。
いっそ1つの点にした方がうまくいくかもしれませんが、その場合、その点は「重心」となる点ですので、動かすことはできません。
しかし、点が「3つ」になれば話は別です。
最初に適当につけた2つの点だけではうまくバランスがとれませんが、もう1つの点をどこかに見いだせば、きっとうまくバランスが取れるでしょう。
「椅子」や「テーブル」の脚は、普通は「4本」ですが、もしも「3本脚」の椅子やテーブルがあれば、それらはぐらつくことはありません。
地面に接する「3点」が決まれば、そこでピタッとバランスが取れるのです。
もちろん、バランスを崩さないように「4つ目の点」、あるいはそれ以上の点があれば、もっと安定します。
また、点の数が多ければ多いほど、1つ1つの点への負担も減ります。
大事なことは、「1つ」や「2つ」の点だけでバランスを取ろうとしてはいけないということです。
物事を観察する際の観点が少ない人は、それだけ、自分の行動や言動に関する「意思決定」の仕方に偏(かたよ)りが発生しやすいと言えます。
偏りが発生し、バランスを崩した状態で何かに取り組んでもうまくいきません。
仕事がうまくいかない。
勉強がうまくいかない。
人間関係がうまくいかない。
ホッと息抜きできる場所も時間もない。
こういう状態に陥っているのは、自分の中の「バランス」の取り方がうまくいっていないからではないでしょうか。
物事を見る時の「観点の数」が少なく、「バランス」もうまくとれていないのだとしたら、原因を自分の「外」に見いだそうとするのではなく、自分の「内側」に目を向けるべきです。
なぜなら、「自分の外」のものは、たいてい自分の思い通りにはならないからです。
自分の中にある「モノを見る目」を使い、「観点の数」を増やし、「バランス」をうまく取るように意識してみる。
このような自分の「内側」での取り組みというものが、ストレス軽減につながるのではないでしょうか。
自分の身は自分で守る。
そのために、「バランス」というものがうまくとれているかどうか、常に自己チェックをしてましょう。
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