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前回まで、音読(+暗唱)のための「文字付き音声テキスト」を選ぶ際の注意点として、「文の長さ&ボリューム」という観点から考察してみました。

今回は、「難易度」という観点から「文字付き音声テキスト」をどのように選べば良いかについて考えてみましょう。

テキストの難易度について考えた時、「文法項目の難易度」と「語彙の難易度」の2つに大きく分類できます。

先に結論めいたことを言ってしまいますと、どんなに初級レベルの人であっても、「文法項目の難易度」に関して言えば、なるべく「英検2級」までの全ての文法項目が含まれているものが良いと思います。

よく、中学校の教科書など、「文法項目」が限られた範囲でしか使われていないようなテキストがありますが、そのようなテキストは「音読」などの音声学習用には向きません。

なぜなら、「音読」や「暗唱」などの音声学習の目的は、「全ての英語の法則に、無意識のうちに触れる」ということだからです。

文法を意識して学習するのと違って、「音読」や「暗唱」を繰り返していくと、人は、その「音」の中に含まれる「言語の法則」を無意識に学習していきます。

従って、「音」の中に含まれる「言語の法則」が、人為的にコントロールされて制限されてしまうと、本来、無意識に学習していくことができるはずの「言語の法則」が不完全なものとなってしまいます。

このため、「文法項目の難易度」については、なるべく選り好みせず、難しい文法項目が含まれているものも、そのまま自然に使われているものを選ぶと良いでしょう。

一方、「語彙の難易度」に関しては、学習者自身の語彙レベルを考慮し、少し難しいかな、と思えるくらいのものがオススメです。

音声学習と同時に「語彙学習」も合わせて行うことを考えると、語彙が簡単すぎてはよくありません。

かと言って、あまりに難しいものだと、リズム良く音読を進めることも困難です。

なので、「少しだけ、難しい」と感じる程度の語彙レベルが良いと言えます。

まとめると、「文字付き音声テキスト」としては、「単語のレベルは自分のレベルより少し上くらいで、文法のレベルは英検2級までの全てを含んだもの」を選ぶと良い、ということになります。

さて、「文字付き音声テキスト」を選ぶ際に、もう1つ、考慮すべき点がありました。

それは「ネイティブ朗読者の発音」です。

これについては、また次回書きます。

ではまた!

続く