「a」の発音と「o」の発音について、それぞれ、日本人は「エイ」とすべきところを「エー」と発音してしまったり、「オウ」とすべきところを「オー」と発音してしまったりする、と書きました。
どうして、「a」と「o」の発音について、日本人は間違ってしまうのでしょうか?
それは、もともとの「日本語」の発音の仕方自体に原因があります。
日本語では、「エイ」と書かれた文字であっても、実際には「エー」と発音されるものがあります。
・えいご
・せいせき
・めいわく
・ていでん
これらは、書くときには、「い」となっている部分も、実際には「い」ではなく、前の文字の音を「長く伸ばす」ように発音されます。
つまり、実際の日本語の発音は、
・えーご
・せーせき
・めーわく
・てーでん
のようになります。
同様に、書くときには「オウ」となっている日本語の言葉も、実際に発音する際には「オー」と伸ばされます。
・こうこうせい → 実際には「こーこーせー」と発音される
・とうきょうと → 実際には「とーきょーと」と発音される
・ほうていしき → 実際には「ほーてーしき」と発音される。
このような発音は、「だらけた間違った発音」なのではなく、「NHKのアナウンサーも使う正しい日本語の発音」なのです。
つまり、もともと「正しい日本語」というものであっても、「書かれる文字」と「発音される音」が合致していない場合があるのです。
逆に、「えいご」や「こうこうせい」」などで、きっちりハッキリ「い」とか「う」とかまで発音してしてしまうと、日本語としてはかえって不自然となります。
しかしこれは「日本語」におけるルールです。
このルールを、勝手に日本人が「英語」に当てはめてしまって良いかと言えば、そうではありませんね。
英語では、発音記号で「ei」と書かれていれば「エイ」と発音しなくてはならないし、「ou」と書かれていれば「オウ」と発音しなくてはならないのです。
日本人の中には、自分では「エイ」や「オウ」と発音しているつもりになっている人もいます。
しかし、日常、自分が話している日本語だって、「エイ」や「オウ」と発音している「つもり」になっているだけの可能性もあるのです。
ですから、「a」や「o」というスペルを含んだ単語を辞書で調べて、発音記号が「ei」や「ou」となっているのならば、特に注意して、思いっきり「エイ」や「オウ」というように発音するように気をつけなくてはならないのです。
10年以上、社会人を対象に発音指導をしてきた経験から言わせて頂きますと、8割近くの人は、「エイ」や「オウ」と発音している「つもり」になっていて、実際には、「エー」や「オー」となってしまっているケースがほとんどです。
発音指導で指摘されてもそうなのですから、これは、相当に注意が必要な事項と言えます。
英語学習のために音読をしようと思う人は、この点は特に気をつけてみましょう。