町を歩いていると、「変な英語」に出くわすことがあります。

そんな「変な英語」は、英語を正しく理解しようとする人にとっては「混乱」を引き起こす可能性もあります。

そんな「変な英語」を少しずつご紹介しながら、正しくはどのように表現すべきか考えてみましょう。

今日のテーマは「AM 10:00」という表現です。

 

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店の営業時間など、入り口の看板に「AM 10:00〜PM 6:00」のように書いてあるのを見かけることがあります。

「AM」は「午前」の意で、「PM」は「午後」の意なので、一見、問題なさそうに見えますが、実はそうではありません。

「AM」というのは、ラテン語で「ante meridiem」の意、
「PM」というのは、ラテン語で「post meridiem」の意です。

「meridiem」というのは、現代の英語でいう「meridian(子午線)」と考えて差し支えありません。

子午線というのは、自分がいまいるところから見て「真北」と「真南」を結んだ線のことです。
つまり、自分の頭上の真上通る線、ということです。

そして、太陽がその線を通過する時間のことを「正午」と呼びます。

実際には、この時刻に太陽が子午線を通過するとは限らず、日によって、太陽が実際に子午線を通過するのが、我々が「正午」と定めている時刻と前後1時間ずつほどズレあるようですが、とにかく、「meridian(ラテン語のmeridiem)」は「正午」を指す、と考えるのです。

そして、「ante」は「before(〜の前)」という意味で、「post」は「after(〜の後)」という意味です。

言い換えるならば、「ante meridiem」は「before noon(正午の前)」であり、「post meridiem」は「after noon(正午の後)」ということになります。

ここで考えるべきことは、これらは「前置詞+名詞」という形の「句」である、ということです。

英文法を少しでも勉強している人ならお分かりでしょうが、「前置詞+名詞」の句は、たいてい、「その前に置かれた言葉」を修飾します。

例えば、「in Japan」という「前置詞+名詞」の句の場合、「people in Japan」という表現であれば「in Japan」が「people」という名詞を修飾していることになり、「live in Japan」という表現であれば「live」という動詞を修飾していることになります。

このことから、「AM」や「PM」という表現は、通常は「前に置かれた言葉を修飾する」ような表現となります。

つまり、「AM 10:00」のように「AM」の方が前に置かれるのは不自然であり、正しくは「10:00 AM」のように、「AM」の方を後ろに置かなくてはならない、ということです。