「映画を見る」ということは、日本で英語を学ぶ上で、最も有効な学習方法の1つと言えます。
本校では、「映画を見よう」ということを生徒達の指導にも取り入れております。
かくいう私(久末)も、映画は大好きなので、これまでたくさん見てきました。
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これは1965年に公開されたアメリカ映画で、原題は「The Sound of Music」です。
とても有名な映画ですので、見たことがあるという人も多いことでしょう。
しかし、私はなんと、これを最初から最後まできちんと見たことがありませんでした。
予備知識もほとんどなく、例によってムービープラス(映画チャンネル)で放送されていたものを録画して見たのです。
私はミュージカル映画はわりと好きな方で、これまでもいくつかミュージカル映画を見てきました。
この「サウンド・オブ・ミュージック」もまたミュージカル映画で、頻繁に「歌」が入ってきます。
「歌」と言っても、「あ、聞いたことがある」という曲もいくつかあり、聞いていて楽しい気分にはなります。
劇中に出てくる「ドレミの歌」も、後で調べてみたら、この映画で作られた曲なのですね。
日本語の歌詞とはだいぶ違う感じで、なんとなく新鮮な気がしました。
それから、「My Favorite Things(私のお気に入り)」という曲は、JRのコマーシャルで「京都へ行こう」というテーマと共にかかる曲なので、これも聞き馴染みがあります。
そういう感じで、わりと聞きやすい歌がちりばめられていて、親しみやすい感じです。
一方、ストーリーに関して言えば、修道院で修行中だった主人公のマリアが、お金持ちの家の「家庭教師」(劇中では「governess」という言葉で表現されている)として働き始める、といった流れで始まります。
お金持ちの子供達は、最初は彼女にはなつきませんが、次第に心を開いていく、という、わりと聞いたことがあるような展開です。(というか、この映画がそういう典型的な話の流れを作った先駆けなのかもしれませんね。)
子供達が次第にマリアになついていくだけでなく、子供達の父親までも心を開いていくという、意外な展開もあります。
そんなこんなで、ああ、時間的にもそろそろ映画も終わりだな、これでハッピーエンドだな、と思っていたら、どうやらまだ終わらないようです。
そうなんです、この映画はとても長いのです!
上映時間は「174分」(約3時間!)だそうです。
映画の冒頭で、「オーストリア 1930年代 最後の黄金の日々」と表示されていました。
つまり、これは第二次世界大戦前のオーストリアで、戦争の匂いがする時代の話です。
ハッピーエンドだな、と思った辺りからも話は続き、オーストリアがドイツの占領下になっていくという話が描かれます。
ところが私はその辺りの歴史については全くと言って良いほど知識がなく、映画を見ながら「へー、なんだか大変な感じになってきたなぁ」としか感じませんでした。
きっと、この映画の制作者は、単に「家族の愛」のような人間模様を描くだけでなく、「戦争」というテーマで何かしらのメッセージをこの映画に込めたかったのでしょう。
劇中の英語に関して言えば、「修道院」で使われる英語、あるいは、前述の「governess」などのように「時代」を感じさせるような古い言葉がちらほら聞こえてきました。
「governess」というのは、「女家庭教師」という意味ですが、子供達がいる家に通うのではなく、その家に住み込み、子供達の教育・訓練全般を指導する人のことです。ただ、今では「governess」という存在は稀のようです。
私が20歳の頃に覚えた「Little Women(若草物語)」の中の一節に、「She obtained a position as governess to the children of Mrs. Kirke, . . .」という表現があるのですが、これもずいぶん古い時代の物語です。
今回の映画では、全体が古い英語であるという印象はありますが、ミュージカル映画というだけあって、セリフの発声法もかなり明瞭なので、英語学習という観点としては良いかもしれません。
難点は「上映時間が長い」という点ですが、それ以外は、さすが後世に残る名作、まあまあ良い作品だと思います。
一度も見たことがない人にはオススメです。