英語学習には「暗唱」が絶対的に有効だ!と主張するこのコーナー。前回からだいぶ間が空いてしまいました。

前回、音読や暗唱という形の「アウトプット」を繰り返し継続していると、そのうち、「聞いたことのある単語」はもちろん、「聞いたことのない単語」までも「インプット」しやすくなる、ということを書きました。
(前回の記事はこちら。)

お手本を「インプット」してから「アウトプット」してみる。

一般にどんなことでも「インプット」よりも「アウトプット」の方が難しい。

そして、より難しい「アウトプット」ができるようになってしまえば、今度は「インプット」するのがカンタンに感じられる。

こういう理屈によって「聞いたことのある単語」ならば、「アウトプット」による効果として「インプットしやすくなる」ということは言えると思います。

しかし、「聞いたことのない単語」であっても、なぜか「インプットしやすくなる」という現象が起きるのです。

それは何故でしょうか?

結論から言えば、英語など、1つの言語の「音」を繰り返しインプット&アウトプット繰り返すうちに、人は、そのインプットとアウトプットしている文章の中から、「共通した法則」を自然と獲得していくからです。

「共通の法則」。

先日、当ブログでも書きましたが、人が何かを身につけていくには「意識的な学習」と「無意識の学習」の両方が必要になります。(関連記事はこちら。)

そして、「無意識の学習」というものは「記憶や知識をため込む」という学習ではなく、「法則を獲得する」という学習と言えるのです。

「記憶や知識をため込む」のと、
「具体例から法則を見出す」のとでは、

頭の使い方がまるで違います。

これは、小学校から高校までの「学校の勉強」にも共通しています。

「与えられた答えを覚える」ことを得意とする学生と、
「答えを得るための法則を探す」ことを得意とする学生。

前者は、自分の知っている答えなら即答できますが、知らない答えには対応できません。

一方、後者は、自分が答えを知らなくても、自分が獲得した法則から、きちんと正しい答えを導き出すことができます。

一般に、社会に出ても優秀な人材というのは、この前者も後者も、両方できるようなタイプと言えそうです。

しかし学校の評価は違います。

「前者のみ」のタイプであっても、十分に評価されてしまいます。

そういう評価の基準というものが、人間が本来持っている力を衰えさせているのかもしれません。

人は、「記憶」をしていないことでも、答えることができるのです。

このことは、「ばみる」という言葉を使った例でも説明しました。(記事はこちら。)

人は「教わっていないことであっても、自ら獲得した法則によって答えを出すことができる」という能力を、もっと大いに利用すべきです。

ところが、「英語を勉強する」となった途端に、急に「覚える」や「記憶する」という学生時代の「お勉強」のスタイルのまま英語を身につけようとする人が本当にたくさんいます。

もちろん、「文法」や「単語」については、「覚える」や「記憶する」ということも重要です。

しかし、英語も「言語」である以上、人間が本来持っている「自ら獲得した法則によって答えを出す」という能力を十分に活かした学習がとても有効であることを忘れてはいけません。

「法則」というものを英語の「音」の中からある程度まで確立させることができた人は、「聞いたことのない単語」であっても、スッと耳に入ってきます。

もちろん、「聞いたことのない単語」である以上、その意味をズバリ当てられる、というわけではありません。

しかし、「こんなスペルかな?」や「こんな意味かな?」と想像したり類推したりして、自然とその単語が「見えてくる」ということはあります。

現に、私は映画を見ながら、「未知の単語」に対してそのようなことを実践しています。

日本人の多くが「ばみる」の過去形を正しく言えたのと同じように、英語で「未知の単語」に遭遇しても、

ほぼ確実に「品詞」を当てることができたり、
およその「スペル」を当てることができたり、
だいたいの「意味」を当てることができるのです。

こういうことを可能にするためには、「英語の音」というものが常に頭の中に流れている必要あります。

普段から「音読」や「暗唱」を実践している人は、その音読や暗唱の中に含まれている文章から、「共通した法則」を確立させていきます。

そして、「未知の単語」に遭遇した時、その「法則」を使って(というより、本人には無意識なので、その法則が勝手に働いて)、「未知の単語」を処理しているのです。

こういうことは、「英語の音」が頭の中に十分に入っていない人にはなかなか理解できないかもしれません。

しかし、「音読」や「暗唱」は、誰にでもできます。

そして、ある程度の量をこなしていけば、人間ならば必ずこのことを「体験」することができます。

もちろん、適切な手順やノウハウなどはありますので、基礎となる部分は誰かに習うと良いでしょうが、それでも、いったんやり方を覚えてしまえば、誰にだってできるのです。

いつでも、どこでも、好きなだけ。

そういう「音」を使った言語学習は、自分の英語力をアップさせるのにどれほど「味方」になってくれることか!

健康な耳を持ちながらも「音」を使った学習をしようとしない人は、「水に入らずに泳ぎを覚えようとする」というような無茶な方法をわざわざ選んでいるとしか言えません。

「音読」や「暗唱」の最大の目的は、「英語の法則」を無意識に獲得することです。

だから、誰がなんと言おうと、「英語は絶対暗唱だ!」なのです!!


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