英語を身につけようとすることは、多くの日本人にとって「苦手を克服する」ということになるのではないでしょうか。

そこで英語に限らず「苦手を克服する」ということに焦点を当てて考えていこうというこのコーナー。

前回までは、苦手を克服するために「複数の視点を持とう」ということをご紹介しました。

今回は、「複数の視点」という考え方に、「バランス」という言葉を組み合わせて考えてみることにしましょう。

そもそも「複数の視点を持つ」ということは、「バランスを取る」ということを目的としているとも言えます。

当たり前ですが、物事すべて「過ぎたるは及ばざるがごとし」ですね。

やり過ぎるのは、やり足りないのと同じこと。

「努力」をすることで見事に苦手を克服していく人は、たいてい「バランス」がうまく取れています。

ところが、「努力」をしてもなかなか苦手を克服していくことができない人は、ひどく「バランス」が悪いように見えるものです。

では、一言で「バランス」と言っても、どのような観点でバランスを取ればよいのでしょうか?

バランスを取るためには、1つの事柄について、少なくても「2つの点」が必要です。

1つの点だけでは、どんなこともバランスは取りにくいものです。

「正反対の両極」があるからこそ、バランスというものは取れるのです。

例えば、次のような感じです。

 1. 力の入れ具合のバランス
 (力を入れすぎていないか、力を抜きすぎていないか)

 2. スピードのバランス
 (速すぎないか、遅すぎないか)

 3. 精密さのバランス
 (細かすぎないか、おおざっぱすぎないか)

 4. 主観と客観のバランス
 (主観的すぎないか、客観的すぎないか)

 5. 自立に関するバランス
 (自分一人だけでやろうとしすぎていないか、誰かに頼りすぎていないか)

 6. 感情と理性のバランス
 (感情的になりすぎていないか、理性的になりすぎていないか)

 7. 楽観と悲観のバランス
 (目の前の現実を楽観視しすぎていないか、悲観視しすぎていないか)

 8. 自信に関するバランス
 (自分のことを過信していないか、自分の可能性を信じなさすぎていないか)

 9. 記憶と思考のバランス
 (記憶力だけに頼りすぎていないか、思考力だけに頼りすぎていないか)

 10. バランスに関するバランス
 (バランスをうまく取りすぎて力が均衡していないか、バランスが崩れすぎて一方向だけにエネルギーが注がれていないか)

このように、いくつもの観点で、「2つの両極の間のバランス」というものを考えていくと、努力しても苦手を克服していくことができない原因を探ることができます。

これをお読みの皆さんの中で、「努力をしているのに苦手を克服することができない」という方がいらっしゃいましたら、
まずは上記の観点から「バランス」をうまくとれているか自問してみると良いと思います。

是非おためしあれ!