先週の火曜日に配信したメールマガジンでは、「好む」「嫌う」をテーマにご紹介しました。
その中で「love」という言葉について説明したのですが、メールマガジンの内容よりもさらに深く、この言葉について考えてみたいと思います。
「love」という言葉は、動詞ならば「愛している」という日本語に置き換えられることが多いと思います。
名詞ならば「愛」でしょうか。
ところが、どうも、この「愛」という言葉と「love」という言葉が、私の中では合致しないのですよね。
もちろん、イメージとして重なる部分は相当あります。
「love = 愛/愛している」としてしまっても良い場合もあります。
ところが、「恋」という言葉だって、英語にすれば「love」なのです。
では、「愛」と「恋」は同じものでしょうか?
いいえ、多くの人が「愛と恋は違うものだ」と答えることでしょう。
「愛」と「恋」が違うように、「愛」と「love」も違いますし、「恋」と「love」も違います。
では、「love」は「愛と恋」を混ぜ合わせたものか、と言えば、そうとも限りません。
「I love chicken.」「I love chocolate.」など、「愛」とも「恋」とも言えないような時にも「love」という語が使われます。
それなのに、多くの日本人の英語学習者は「love = 愛/愛している」というように「覚えて」しまっているのです。
そもそも、「愛」という言葉を、日本人は日常的に使うでしょうか?
もちろん「恋人とラブラブだから毎日使っているよ!」という人もいるかもしれませんね(笑)
しかし、テレビドラマや恋愛映画の世界ならともかく、「愛」や「愛している」という言葉を、日本人の誰もが日常の生活において頻繁に使っているとは思えません。
「愛」という言葉は、日本人の感覚としては、とても意味深いもの、かけがえのないもの、命のつながりなどを連想させるもの、人生における重要度の高いものなどに対して使われるという印象があります。
深い意味もなく、命とかそんな重い話じゃなくて、人生の重要度とも全く関係ないような、そんな場面で「愛」という言葉が使われるでしょうか?
もし使われるとしたら、それは「冗談」のように聞こえます。
泥酔して帰宅したお父さんが奥さんに向かって「かあちゃん、愛してるよ~」なんて言うのも、なんとなく「何言ってんのさ!」と軽く返されてしまうような状況のように思われます。
つまり、「愛」という言葉自体には「深み」や「重み」があって、日常の生活の中で、普通の精神状態の時に、日本人は軽々しく「愛」という言葉を使うことはない、ということです。
ところが「love」は違います。
「深い意味」もなく、「命」とかそんな重い話じゃなく、「人生の重要度」とも関係ないような、そんな場面でも「love」という言葉は使われるのです。
「love」という言葉は、日常生活の、普通の精神状態の時にでも使われます。
「love」という言葉は、英語圏では「生活の中」に浸透しているのです。
ここに、私は「love」と「愛」の違いを感じます。
「love = 愛/愛している」と覚えるのも悪くはないかもしれませんが、「愛」という言葉以外のイメージも含んで「love」という言葉が使われているのだということを、よく理解しておくと良いですよ。
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