「とても」は、英語では「very」「much」「very much」「a lot」「so」「such」のように表現されます。

 

very」は、基本的に「程度が高い」という意味で使われ、「とても」や「非常に」の意を表しながら、「形容詞」や「副詞」を修飾します。ただし、修飾される「形容詞」や「副詞」が「比較級」の形になっている場合は、「very」ではなく、「比較の程度が大きい」という意味で「much」が使われます。

例えば、「My son is very tall.(私の息子はとても背が高い。)」という文において、「tall」という形容詞が「taller」という比較級となると、「My son is much taller.(私の息子は、さらに、より背が高い。)」となります。このような意味の「much」は、日本語では「ずっと」や「さらに」のように表現されます。

 

very much」は、元々「(量が)とてもたくさん(ある)」ということを述べる表現です。これが転じて、「like(好きだ)」「love(愛している)」「want(欲しい)」「thank(感謝する)」「appreciate(ありがたく思う)」「enjoy(楽しむ)」など、「人の気持ちの量」を表すような動詞を修飾する場合に、「大変」や「とても」の意で「very much」が使われます。つまり、「量」に対して「much(たくさん)」と述べるので、「人の気持ちの量」を表さない動詞に対しては通常「very much」は使われません。「very much」は多くの場合は「文末」に置かれますが、「動詞の直前」に置かれることもあります。

 

a lot」は、「very much」と同様、「人の気持ちの量」を表すような動詞を修飾し、「たくさん」という意味で使われます。ただし、「very much」が「否定文」でも使われるのに対し、「a lot」は「肯定文」だけで使われ、「否定文」では使われません。

 

so」は、「very」と同様、「とても」の意を表しながら「形容詞」や「副詞」を修飾します。「so」と「very」を比べると、「so」の方が「主観的あるいは感情的に」述べられるのに対し、「very」の方が「客観的あるいは冷静に」述べられる傾向があるようです。さらに、「とても…だ」という表現の後ろに、「だから○○できる」や「だから○○できない」という意味合いがそれとなく含められている場合には、通例「so」が使われ、「very」は使われません。これは「so … that 〜」という形式の表現のうち、「that以降」の部分が省略された形と解釈することもできます。

 

such」は、何かを指し示しながら「そのような」という意味を表す言葉ですが、「そのような」という意味ではなく、「とても」という意味で使われることもあります。ただし、「such」は「such+形容詞+名詞」という形で使われるのが一般的であり、後ろに「名詞」が続かない場合には「such」は使われません。

これに対し、前述の「so」の場合は、「so+形容詞」あるいは「so+副詞」という形では使われますが、後ろに「名詞」が続いた「so+形容詞+名詞」の形では使われません。

また、「a(またはan)+形容詞+名詞」という形に対して「とても」と述べる際、「very」は「a(またはan)」と「形容詞」の間に置かれますが、「so」は「a(またはan)」の前に置かれます。

例1: This book is very difficult.「この本はとても難しい。」
(形容詞「difficult」の後ろに名詞が続いていないため、「very」は「so」には置き換えられるが、「such」には置き換えられない。)
例2: That will be a very important meeting.
「あれはとても重要な会議となるだろう。」
(形容詞「important」の後ろに名詞「meeting」が続いているため、「very」は「so」には置き換えられない。また、「very」を「such」に置き換えることはできるが、その場合には、「such an important meeting」という語順に変わる。)