町を歩いていると、「変な英語」に出くわすことがあります。

そんな「変な英語」は、英語を正しく理解しようとする人にとっては「混乱」を引き起こす可能性もあります。

そんな「変な英語」を少しずつご紹介しながら、正しくはどのように表現すべきか考えてみましょう。

今日のテーマは「open」と「close」という表現です。

 

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よくお店などの「入口」に「open」と「close」といった表示があります。

意味としては、「open=開いています」で、「close=閉まっています」ということなのだろうと思いますが、英語としては不自然です。

「open」の方は良いのですが、問題は「close」の方。

これは正しくは「closed」としなくてはなりません。

では、「open」の方もこれに合わせて「opened」とすべきかと言うと、それもおかしな英語となります。

 

「open」という言葉には、「動詞」と「形容詞」の2つの働きがあります。

「動詞」の場合は「開ける」という動作を表し、「形容詞」の場合は「開いている」という状態を表します。

つまり、「○○が開いている。」というような「状態」を表す文を作りたければ、「○○ is open.」のようにすれば良いと言うことになります。

この「○○ is」の部分を取り去って、「open」だけで表現した場合には、単に「開いている状態です」という意味になります。

従って、お店などの入口に「open」と書かれているのは、「開いています」という意味として適切な表現と言えるのです。

 

一方、「close」という言葉にも、「動詞」と「形容詞」の2つの働きがあります。

「close」が動詞として機能する場合には、発音は[klóuz]となり、意味としては「閉める」や「閉まる」となります。

「close」が形容詞として機能する場合は、発音は[klóus]となり、意味としては「近い」という意味になります。

お店などの入口で使う表現としては「近い」ではなく「閉まっている状態です」という意味でしょうから、そもそも「close」を形容詞として使うのは意味不明となります。

では「close」という動詞のままで「閉まっている状態です」という意味になるかと言えば、それも違います。

「close」はあくまでも「動詞」ですから、「閉まっている状態」を表すためには「分詞」という形にしなくてはなりません。

「分詞」には「現在分詞」と「過去分詞」の2つがありますが、「close」という動詞を「閉める」という意味に解釈した場合、これを「closed」という過去分詞にすれば、「閉められている状態です」ということを表すことができます。

つまり、「close」ではなく、「closed」という形にすれば、お店の入口で表現してもおかしくありません。

「open」の場合は、そもそも「open」という形のままで「開いている状態」を表す形容詞の意味があるので、このままの形で良いのです。

「close」には「閉まっている状態」という形容詞の意味はありませんので、「動詞」を変化させた「closed」にするのが正解なのです。

 

というわけで、お店の店主の皆さん!

中途半端に「open」と「close」などという変な英語を使わないようにしましょう。

「opened」と「closed」という表現も変ですからね。

きちんと、「open」と「closed」という表示にして、町から「変な英語」を無くしていきましょう!