日本人が英単語を覚えようとする時、当然、「日本語」に置き換えて覚えることでしょう。
しかし、単に「日本語」に置き換えてしまうと、その英単語の「本来の意味」が失われてしまうことがあります。
英単語の「本来の意味」がよく見えるような日本語に訳しておくと、実際に英語で文を作ろうとする時にとても役に立ちます。
さて、今日は「at first」という表現について考えてみましょう。
これを「最初に」や「はじめに」といった日本語に置き換えている人も多いことでしょう。
しかし、「at first」を「最初に」や「はじめに」というように解釈してはいけません。
では、「at first」はどのように解釈すれば良いでしょうか?
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まず、「at first」と似た表現で、「at」がついていない「first」という表現があるということに着目してみましょう。
「at first」も「first」も、どちらも「文の先頭」に置かれ、たいてい直後に「カンマ(,)」が置かるような形で使われます。
両者は「at」があるかないかだけの違いなのですが、そこには意味的な違いが生じます。
まず、「at」がない方の「first」について見てみましょう。
「First, …」のように文を始めた場合、それは何かしらの「手順」や「段階」を表します。
この表現の後には、「Second, …」や「Third, …」などの表現が続き、「最後に」として「Finally, …」のような締めくくりとなることが多いと言えます。
この場合の「First」こそ、日本語にした場合には「最初に」や「はじめに」となります。
一方、「at」がついた方は、単なる「手順」や「段階」を示すわけではありません。
「at」というのは、「ある1点」を表す前置詞です。
言い方を変えると、「ある1点を指してはいるけれど、その他の点に関しては言及しない」ということを表す場合に「at」が使われるわけです。
「at first」という表現の場合、「first」の部分を指してはいるけれど、「それ以外の時点」については述べていないということになるのです。
日本語で表現するならば、「最初に」や「はじめに」ではなく、「最初は」や「はじめは」という感じです。
「最初は」や「はじめは」のように「〜は」と表現すると、「最初は○○だったけれど、後では違っていた」のように「後になってからの変化」をそれとなくほのめかすことになります。
例えば、「私は、最初は彼のことが嫌いだったけれど、後で彼のことが好きになった。」のような場合に「at first」が使われるのです。
このような時に「at」をつけないで、単に「first」とするのは不自然です。
また、このような時の「at first」を「最初に」や「はじめに」という日本語に訳すのも不自然です。
「at」がついているのですから、「後では違っている」ということをきちんと表すために、「最初は」や「はじめは」とすべきです。
◎まとめ
「at first」は「最初は〜だったが、後では違った」のような意味を表す場合に使われる表現です。日本語に訳す際は、「最初に」や「はじめに」のように「〜に」にするのではなく、「最初は」や「はじめは」のように「〜は」と表現すると良いでしょう。「〜は」とすることで、「後では違う」ということをほのめかすことができます。