日本人が英単語を覚えようとする時、当然、「日本語」に置き換えて覚えることでしょう。
しかし、単に「日本語」に置き換えてしまうと、その英単語の「本来の意味」が失われてしまうことがあります。
英単語の「本来の意味」がよく見えるような日本語に訳しておくと、実際に英語で文を作ろうとする時にとても役に立ちます。
さて、今日は「look」という言葉について考えてみましょう。
多くの日本人が「look」を「見る」という日本語に訳しますし、辞書にもそのように書かれています。
しかし、「look」を見ると訳してしまうと、色々と問題が出てきます。
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「look」の解釈については、前々回に挙げた「listen」とよく似ています。
「listen」は「聞く(聴く)」ではなく「耳を向ける」という日本語に置き換えると良い、と書きました。
そうすれば、「listen」の後に続く「to」が「〜に」という方向の意味のままで解釈することができますし、英文を作る際に「to」が抜け落ちるというミスも減ることでしょう。
今回の「look」もこれと同じで、「look」を「見る」という日本語に訳してしまうと、「see」や「watch」との区別がつかないだけでなく、後ろに続くはずの「at」という前置詞が抜け落ちるというミスが多発してしまいます。
「見る」という言葉は、日本語では「他動詞」に分類されます。
一方、「look」は「自動詞」として機能するのが一般的です。
そこで、「look」を「見る」という日本語に置き換えるのではなく、「目を向ける」という日本語に置き換えてみましょう。
そうすると、「look」の後ろに「1点」を表す前置詞「at」が続くことにも納得がいきます。
「look at A」と言えば、つまり「Aという1点に目を向ける」ということになるのです。
さらに、「look」の後ろに「for」という前置詞が来た場合についても考えてみましょう。
「for」というのは「〜を求めて」という意味で使われる言葉です。
つまり、「look for A」と言えば、「Aを求めて目をあちこちに向ける」という意味になります。
そのことが、日本語での「探す」という言葉に当てはまるのです。
◎まとめ
「look」は「見る」という日本語に置き換えるのではなく、「目を向ける」という日本語に置き換えておくと良いでしょう。そうすれば、「at」が後ろに続く場合は「〜の1点に目を向ける」の意となり、また「for」が後ろに続く場合は「〜を求めて目をあちこちに向ける」の意となることがよくわかることでしょう。