「従位節」というのは「節」の種類の1つです。

「節」なのですから、前回も説明したように、従位節も「主語+述語動詞」の形を含んだものとなります。

英語では、1つの文の中に「主語+述語動詞」の形を含んだかたまりが「2つ以上」入り込むことがあります。

前回の例の「I  like  apples,  and  he  likes  oranges.」という文では、「I like apples」の部分が1つ目の節で、「he likes oranges」の部分が2つ目の節ということになります。

この文での2つの節は、「and」という等位接続詞によって接続されています。

等位接続詞は、2つのもの(語と語、句と句、節と節など)を「同格」という関係でつなげる言葉です。

つまり、上記の文では、「I like apples」と「he likes oranges」という2つの節は「同格」で結ばれている、ということになります。

1つの文の中で、「同格」の関係になっている2つの節は、それぞれどちらも「等位節」と呼ばれます。

「等位節」は簡単です。

元々「1つの文」だった2つの文が、等位接続詞(「and」や「but」や「or」など)によってつなげられた長くなったものだ、と解釈すれば良いのです。

これに対し、「従位節」はそう簡単ではありません。

「従位節」というのは、「主語+述語動詞」という形を含んでいるのですが、そのかたまり全体で「1つの何らかの品詞」として機能するもののことです。

「1つの何らかの品詞」というのは、具体的には「名詞」と「形容詞」と「副詞」の3つです。

「主語+述語動詞を含んだかたまり」が1つの「名詞」として機能している時、この節を「名詞節」と呼びます。

また、「主語+述語動詞を含んだかたまり」が1つの「形容詞」として機能している時、この節を「形容詞節」と呼びます。

同様に、「主語+述語動詞を含んだかたまり」が1つの「副詞」として機能している時、この節を「副詞節」と呼びます。

この3つの節、すなわち「名詞節」と「形容詞節」と「副詞節」の3つをまとめて「従位節」と呼ぶのです。

まずは「名詞節」から見てみましょう。

「名詞節」は、多くの場合、「that」という言葉が先頭に置かれ、その後ろに「主語+述語動詞」が続いた形となっています。

例えば、「he likes oranges」という部分の先頭に「that」をつけたとしたら、「that he likes oranges」となります。

「that he like oranges」となった場合の先頭の「that」は、「〜するということ」という意味を表します。

つまり、「that he likes oranges」というのは、「彼がオレンジを好きだということ」という意味になります。

そして、このかたまり全体は、例えば、「I know  ***.(私は***を知っている。)」の「***」の部分に入り込むことができます。

普通、「I know ***.」という表現があったとしたら、「***」に入る言葉は「名詞」です。

「I know his name.(私は彼の名前知っている。)」や「I know this song.(私はこの歌を知っている。)」といった具合です。

「I know ***.」の「***」の部分には「名詞」が入るのですが、上述した「that he likes oranges(彼がオレンジを好きだということ)」という部分も「名詞」として機能しているので、これも「***」の部分に入ることができるのです。

そうすると、次のような文となります。

I  know  that  he  likes  oranges.
「私は彼がオレンジを好きだということを知っている。」

このように、「主語+述語動詞」を含んだかたまり(節)が、1つの大きな「名詞」として機能しているような場合、その節は「名詞節」と呼ばれるのです。

さて、この続きはまた今度にします。
次回は「形容詞節」について説明しますね。

どうぞお楽しみに!