「従位接続詞」を理解するには、「従位節」というものを理解する必要があります。

「従位節」というのは「名詞節」「形容詞節」「副詞節」という3種類の節を合わせたものです。

たとえるならば、「従位節」が「名字」であり、「名詞節」と「形容詞節」と「副詞節」は、同じ名字を持つ三人兄弟ということです。

従位節ファミリーの長男 = 『名詞節』
従位節ファミリーの次男 = 『形容詞節』
従位節ファミリーの三男 = 『副詞節』

さて、前回は「形容詞節」について説明しましたので、今回は「副詞節」について説明します。

「副詞節」とは、「副詞」として働く「節(=主語+述語動詞を含んだかたまり)」のことです。

普通、副詞という言葉は「動詞」や「形容詞」や「副詞」を修飾します。

前回も説明した通り、「修飾する」ということは、「修飾される言葉」について、その「意味的な範囲を絞り込む」ということです。

 

例えば、「ここにあなたの名前を書いてください。」という文があったとします。

「書いてください」というのは、元々「書く」という動詞ですね。

この「書いてください」という動詞の前に、「丁寧に」という言葉をつけたとしましょう。

すると、「ここにあなたの名前を丁寧に書いてください。」となります。

「丁寧に」という言葉がついていない場合と比べ、「丁寧に」という言葉がついた場合では、「丁寧ではない書き方は除外される」ということになります。

「書く」という動作には、様々なやり方がありますね。

「ゆっくり書く」とか、「しっかり書く」とか、「適当に書く」とか、「慎重に書く」とか。

「丁寧に」だけでなく、「ゆっくり」や「しっかり」や「適当に」や「慎重に」といった言葉は、どれも「書く」という動作の仕方について、その意味を「絞り込んでいる」と言えますので、これらは全て「動詞を修飾することができる言葉」と言えます。

そして、「動詞を修飾している言葉」は、英語の文法では全て「副詞」となります。

 

ここまでを理解したところで、「副詞節」の話に戻りましょう。

「副詞節」というのは「節」の1つですから、「主語+述語動詞」を含む形となっています。

「主語+述語動詞」を含む形となっていて、さらに、その部分全体が「副詞」として機能している場合、その部分全体のことを「副詞節」と呼ぶのです。

ここで再び、上述の「ここにあなたの名前を書いてください。」という文で考えてみます。

この文の前の方に、「あなたがペンを受け取ったら」という表現を入れてみましょう。

すると、あなたがペンを受け取ったら、ここにあなたの名前を書いてください。」となります。

この場合、「あなたがペンを受け取ったら」という表現が入ることで、「あなたがペンを受け取る前はダメですよ、受け取った時にしてくださいね」というような条件がつくことになります。

これはつまり、「書く」という動作に対して「制限を設ける」ということになりますので、「あなたがペンを受け取ったら」という部分もまた、上の例の「丁寧に」という言葉と同じように「動詞」を修飾している、ということになるのです。

「あなたがペンを受け取ったら」という部分は、「主語+述語動詞」という形になっていますので、この部分が名詞を修飾しているということは、この部分全体が「副詞節」ということになります。

 

さて、これを英語で表現すると、以下のようになります。

Please  write  your  name  here  when  you  receive  a  pen .
あなたがペンを受け取ったら、ここにあなたの名前を書いてください。

つまり、「when you receive a pen」の部分が「あなたがペンを受け取ったら」という部分に対応しており、この部分が「副詞節」である、ということになるのです。

さて、この続きはまた今度にします。
次回は「従位節のおさらい」をしますね。

どうぞお楽しみに!