前回までに説明したように、be動詞は「主語」と「補語」が「イコールの関係になっている」ということを表す場合に使われる動詞です。

例1:  He   is  my brother.

この文では、主語である「He(彼)」と補語である「my brother(僕の兄)」がイコールの関係であることが、真ん中のbe動詞「is(〜である)」によって表されています。

しかし、次の文はどうでしょうか?

例2:  He   is  in France.

この文では、「He」と「in France」が「イコールの関係になっている」ということが表されているわけではありません。

「He(彼)」が、「フランス」という国の中に「いる(存在している)」ということを表しているのです。

「存在」という言葉は少し難しいかもしれませんが、簡単に言えば「何かが、どこかの場所にある」ということです。「ある」という言葉、もしくは、生き物であれば「いる」という言葉で表現されます。

つまり、同じbe動詞であっても、文によっては「イコールを表す」こともあれば、「存在を表すこともある」ということなのです。

be動詞が存在を表す場合、be動詞の後ろには、たいてい「場所」を表す言葉が続きます。

この場合、「場所」を表す言葉は「副詞」ということになります。

そして、「場所」を表す言葉は、多くの場合「前置詞」から始まります。

「前置詞」については以前も説明しましたね。(→「前置詞」についてはこちら。)

「in」や「on」や「by」などといった前置詞から始まる「句(=言葉のかたまり)」が、1つの意味となっているのです。

上の例では「in France」の部分がこれに当たります。

「in」という前置詞があり、それが「France」という名詞と一緒になって「フランスで」という意味の「場所」を表す言葉になっているのです。

以下、前置詞から始まる「句」が「場所」を表す例のおさらいです。
★「前置詞+名詞」の句が、「場所」を表す例
→ in Japan(日本で/日本国内で)
→ in this room(この部屋の中で)
→ on the table(テーブルの上に)
→ under the table(テーブルの下に)
→ by the window(窓の側に)
→ from France(フランスから)
→ to America(アメリカへ/アメリカまで)
→ around the table(テーブルのまわりに)
→ near the station(駅の近くに)
→ at the station(駅で/駅という地点で)

これらの言葉はいずれも「be動詞」が「存在」を表す文で、be動詞の後ろに置かれます。

また、これらの言葉を「ひとこと」で表す便利な副詞もあります。
・here(ここに)
・there(そこに)

例3: Your book   is  on the table. 「あなたの本はテーブルの上にある。」
例4: Your book   is  here. 「あなたの本はここにある。」

 

このように、be動詞の後ろに「場所を表す言葉」が続いている場合には、be動詞自体は「イコール」を表すのではなく、「存在」を表すのが普通です。

 

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