「気にする」は、英語では「care」「mind」「have 〜 in mind」と表現されます。
「care」は、 自分の「頭の中」にある意識を「自分の外のものへ向けて飛ばす」というイメージを持つ言葉です。このことから、「care」は「何かを気にかける」や「何かを気にする」といった意味で使われます。
一方、「mind」は、 自分の「頭の中」に何かしらの情報を「蓄えておく」というイメージを持つ言葉です。このことから、一度頭の中に入ってきた事柄が頭の中で「もやもやと残っている」というような意味で「mind」が使われます。
つまり、「care」が「頭の中から外に出す」という意味で使われるのに対し、「mind」は「外から頭の中に入れておく」という意味で使われるということになり、「care」と「mind」では「意識の方向が逆」ということになります。
人に対して「気にしないでね」と言いたいような場合には、「Never mind.」というように「mind」が使われます。「このことをあなたの頭の中に留めておかないでね」という意味に置き換えられるからです。さらに「Never mind.」は「忘れてね」ということになり、「Forget it.」と表現されることもあります。
ちなみに、スポーツなどでミスを犯したチームメイトに向かって、日本語で「ドンマイ」という慰めの言葉を投げかけることがありますが、これは「Don’t mind.」という英語が日本語化したものです。しかし、英語では実際には「Don’t mind.」という表現は使われません。このような時は「Don’t worry.」や「Let’s forget about it.」などの表現が使われます。
「mind」を「名詞」として使った表現として、「have 〜 in mind」というものがあります。これは「〜を頭に中に持っている」という意味となり、これがひいては「気にしている」という意味となります。これに似た表現で、「keep 〜 in mind」や「bear 〜 in mind」は「頭に入れておく」は「覚えておく」といった意味となり、また「〜 is/are on one’s mind」は「〜が頭の中にずっとある=〜のことが気がかりである」といった意味となります。