1. 本をたくさん読む
2. 文章をたくさん書く
3. 自分のことはなるべく自分で考え、自分で決める

他にもいろいろとあると思いますが、私が「これをやれば学力が高まる」と思えるのは、上記の3つです。

あまり学力が高くない子供に質問してみると、たいてい、上記の3つはあまりやっていないと答える傾向があるように思えます。

本校には、とても賢い中学生や高校生も何人か通っていますが、彼らに共通しているのもまた、上記の3つなのです。

「本をたくさん読む」ということは、「文字をたくさんインプットし、処理する」ということを日々練習していることになります。

「国語」に限らず、「社会」「理科」「英語」などの科目、はたまた「数学」にも通じることですが、学校の教科書は、当然「日本語の文章」で書かれています。

日本語の文章を日頃からたくさんインプットして処理することを練習していれば、おのずと、学校の教科書を「読む力」もつきます。

さらに、本を読むだけでなく、「文章をたくさん書く」ということをしている子は、「頭で理解したことを文という形にしてアウトプットする」ということをたくさん練習することになります。

「読む」のはインプットですが、「書く」というアウトプットまで行っている人は、当然、自分が考えていることを表現することも上手になります。

そして、自分の考えていることを表現することが上手い人は、そうでない人に比べて「理解する力」が高いものです。

アウトプット力を高めることで、インプット力も高まるのです。

普段料理をしている人は、そうでない人に比べて、「他人が作った料理の善し悪しが細かく分かる」ということです。

普段ピアノを弾いている人は、そうでない人に比べて、「他人のピアノ演奏の善し悪しが細かく分かる」ということです。

これと同じで、普段文をたくさん書いている人は、そうでない人に比べ、「他人が書いた文の善し悪しが細かく分かる」ということなのです。

「文をたくさん読んで、文をたくさん書く」ということを日頃からやっていれば、学校の教科書を理解することは楽にできるようになるでしょう。

そしてもう1つ、実はこれが私は一番大事ではないかと思っているのですが、それは「自分のことはなるべく自分で考え、自分で決める」ということです。

学力が高い子供ほど、精神的にとても自立していて、自ら考え、自ら決断し、自ら行動する、ということをやるものです。

逆に、学力の低い子供は、大人が指示してくるのをただ待っていたり、あるいは自分で考えたり決断することが苦手だったりします。

自分で考えたり決断するのが苦手でも高い学力を示す子供もいますが、そういう子供は、たいてい「丸暗記」を得意としており、「考える」ということを求めてくるような問題には全くと言っていいほど手も足もでなかったりします。

大人が子供にしてやれることは、「本を読む」という環境を整えてあげることだったり、子供が書いてきた文章を添削してやることだったり、あるいは自分のことを自分で考え、決断できるよう、敢えて答えを言わず、子供に決めさせることだったりします。

子供の学力を高めるには、もしかしたら、大人達の方が変わらなくてはならないのかもしれません。