まず、COCOAの機能をざっと読むと、このアプリがインストールされたスマホ同士が「15分以上の時間、1メートル以内の距離」に置かれた場合に、このスマホの持ち主同士が「接触した」と認識する、というものらしいです。
私が分からない点は2つ。
まず1つ目は、「15分以上の時間、自分から1メートル以内の距離」に、仮に新型コロナ感染者がいたとして、そのことだけで「感染」は起こるものだろうか?という点です。
お互いがマスクをし、あるいは飛沫が飛ぶような会話もしておらず、さらに密閉された空間でもない、ということであれば、仮に「1メートル以内、15分以上」であっても感染しないのではないか?という疑問です。
「1メートル以内、15分以上」という表現は、分かりやすいようでありながら、単に「距離と時間」しか考慮されていません。
逆に言えば、このアプリの説明は、「距離と時間」によってウィルスに感染する、というイメージを多くの人に植え付けてしまうのではないかという恐れもあります。
問題なのは「距離と時間」ではなく、「ウィルスを含んだ飛沫が、自分の口や鼻や目から浸入するかしないか」という点なのではないでしょうか?
このことを重要視するのでもなく、単に「距離と時間」で感染する、と言わんばかりの説明に、どうしても疑問符がついてしまうのです。
短い時間だろうと、自分と相手がマスクもせずに近距離で会話をすればお互いの飛沫が相手の顔についてしまうわけです。
このあたりの疑問を解消してくれるような説明があるなら、まあ、私もこのアプリの普及活動に賛同しても良いのですが、この疑問が解消されないうちは、単なる「よく分からんが、とにかく入れよう」という人達のグループには加わりたくはありません。
そして2つ目の疑問点は、「新型コロナウィルスのPCR検査によって陽性が明らかになった人」のうち、このアプリを入れて「自分は陽性者です」という登録をする人がどれくらいいるのだろうか?という点です。
アプリを入れようとすること自体にも抵抗がある人が多数いる中で、陽性者が自ら「自分と接触した人のために、このアプリを入れよう」と思うのでしょうか?
そしてもし、アプリ登録者の中に陽性者が少ないのだとしたら、このアプリの効果も薄いのではないか、と思うのです。
以上、2つの疑問は、あくまでも私自身が持っている疑問であり、世の人達に「だからこのアプリは辞めた方が良い」と主張するものではありません。(結果そういう意味に捉えられてしまうかもしれませんが。)
アプリを入れている人達は、きっと上記のような疑問は持っておらず、それよりも「アプリを入れるメリット」の方を優先されているのだろうと推察します。(そのメリットが何であるかも私にはよく分かりませんが。)
<おしまい>