思うところは色々とあるのですが、一番強く感じるのは、「日本は、どのような人材を育成していきたいのか?」という点です。

つまり今の教育は「ゴール」をどこに定めているのか、ということです。

まずはゴールを明確にしてから、その後で、それに向かって、どのような方法で、どれくらいの時間をかけてやるべきかについて検討すべきです。

一応、日本の教育方針を決めている(と思われる)文部科学省のウェブサイトを見てみました。

すると、以下のようなページが見つかりました。

第1条 (教育の目的)
https://www.mext.go.jp/b_menu/kihon/about/004/a004_01.htm

『第1条(教育の目的) 教育は、人格の完成をめざし、平和的な国家及び社会の形成者として、真理と正義を愛し、個人の価値をたつとび、勤労と責任を重んじ、自主的精神に充ちた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。』

うーん、これが目的か。。。

これで良いのだろうか?

 

「教育」というものについて考える時、その対象者は、おそらく「未成年」だろうと思います。

もちろん、「社員教育」などのように、成人となってからでも教育が求められる場面は多々あります。

しかし一般的に「教育」と言えば、対象は「未成年」であり、平たく言えば「子供」です。

皆さんご存じの通り、日本では、子供の数は年々減少しています。

2022年に生まれた赤ん坊の数は「79万9728人」だったとのこと。

第一次ベビーブームのピークだった1949年の出生数は「約269万人」で、
第二次ベビーブームのピークだった1973年の出生数は「約209万人」でした。

これらに比べると、半分以下です。

これから未来の日本のことを考えると、「労働力人口(働くことができる世代の人の数)」は、だんだん減っていくわけです。

そして、「世界」というものとの対比で考えた時に、このままでは、日本は世界から取り残されてしまうのではないか、という懸念も出てきます。

あまりのんびりと構えていられるような状況ではありません。

はっきり言って「危機的」な状況です。

 

このような状況において、「我が国の未来のための教育は、本当に今のままで良いのか?」と、我々の一人一人が考えるべきだろうと思うのです。

では、私はどう考えているのか。
以下、私なりに思う「教育のゴール」は次の通りです。

1. 自分の利益だけを考えるのではなく、他者の利益も考えられる人材の育成。

2. 自分の頭の中にある考えや理解を、他者に分かり易くかつ適切に伝えることができる人材の育成。

3. 様々なことに目を向け、様々なことに問題点を見いだし、様々な考え方や意見を持ち、様々な方向で考えることができる人材の育成。

4. 自己を制御し、理性的に行動できる人材の育成。

5. 幅広い知識を持ち、その知識を縦横無尽に使える思考力を持った人材の育成。

6. 人に指示されてから考えたり動いたりするのではなく、自ら考え、自ら動くことができる人材の育成。

7. 力を入れるところと抜くところを区別するなど、あらゆる場面で適切なバランスをとることができる人材の育成。

8. 己を知り、己を高めるための目標を自ら設定し続けることができる人材の育成。

以上は、「子供」というよりも、「社会人として仕事ができる人」を想定したものです。

上記のような人材がたくさんいる会社は、きっと働きやすいだろうと思います。(その逆は、とても働きづらいことでしょう。)

人口が減っていくことを考えると、日本という国は、「少数精鋭」を目指すべきではないかと思うのです。

数少ない労働力人口でありながら、一人一人の能力が高いならば、世界に対しても誇れる国になれるはず。

子供への教育は、すなわち未来の日本をつくることを意味します。

その意味でも、今の教育が、本当に今のままで良いのか、国民全体で考え直すべき時が来ているのだろうと思います。

 

<おしまい>