しつこいようですが、おさらいです。
「関係代名詞」には以下の5つがあります。
1. who
2. whose
3. whom
4. which
5. that
そして、これらの5つの関係代名詞については、すべて以下のポイントが当てはまります。
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■関係代名詞には、「関係代名詞+その後ろに続いている部分」を「1つのかたまり」にする働きがある。このかたまり全体のことを「関係節」と呼ぶ。
■「関係節」の中には、必ず「主語+述語動詞」となっている部分が含まれている。
■「関係節」は、「関係代名詞の前に置かれた名詞を修飾する」という働きをする。この場合、修飾される名詞のことを「先行詞」と呼ぶ。
■「関係代名詞そのもの」は、基本的には「日本語には訳されない」。————————————
また、「関係代名詞」は、「先行詞が人間であるかどうか」という点と、「関係代名詞が関係節の中でどんな格の働きをしているか」という点によって、以下の表のように分類されます。
関係節内での働き=「主格」 | 関係節内での働き=「所有格」「独立所有格」 | 関係節内での働き=「目的格」 | |
先行詞=「人」 | who | whose | whom |
先行詞=「人以外」 | which | (whose) (of which) |
which |
先行詞=「人・モノの区別なし、あるいは文脈上特定されている語」 | that | — | that |
以上を踏まえ、今回は「関係代名詞が使われるべき英文で、どの関係代名詞を使うべきかを選ぶ方法」について整理します。
これは、「関係代名詞の部分」だけが空欄になっており、それ以外の部分は完成している、という前提での話です。(学校の試験などで良く見かけるものです。)
英文というものは、本来は全て自力で作るべきものですが、ここでは理解のため、「関係代名詞の部分だけが空欄になっている」という、少々不自然な文を使って考えていきましょう。
これまた、前回同様、まずは「関係節がどこからどこまでか」を確認します。
例: The students ( ) can speak both English and Chinese do not have to take this test.
この文では、カッコの中に関係代名詞が入ることになるので、ここから「どこまで」が関係節なのかを見極めなくてはなりません。
前回の説明と同じように、「関係節」の部分を取り除くと、残った部分で「1つのシンプルな文」が完成するはずです。
そうすると、どうやら「The students do not have to take this test.」の部分が、関係節を取り除いてできた文であると分かりますね。
となると、「関係節」は「( ) can speak both English and Chinese」の部分であることが分かります。
さて、この関係節は、関係代名詞の「前」に置かれた「名詞」(つまり「先行詞」)を修飾しているはずです。
この文の場合、「students」が先行詞ということになりますね。
ここで考えるべきは、「先行詞となっている名詞を人称代名詞に置き換えたらどうなるか」ということと、「その人称代名詞をカッコの中に入れ、完全な文を作ろうとした場合、どの格で入れれば良いか」という2点です。
「人称代名詞」というのは、以下の7つです。
1. I
2. you
3. he
4. she
5. it
6. we
7. they
この文では、先行詞は「students」ですから、これを仮に「人称代名詞」とした場合、「彼ら」あるいは「彼女ら」という意味の「they」となります。
「they」は、「they(主格)→ their(所有格)→ them(目的格)→ theirs(独立所有格)」というように格変化します。
「( ) can speak both English and Chinese」のカッコの中に人称代名詞を入れ、これを完全な文にするとしたならば、ここでは「主格」である「they」が入るだろう、ということが分かりますね。
つまり、カッコの中に入れるべき「関係代名詞」もまた、「主格」の形として入ることになるのです。
「主格」ということが分かれば、あとは上の表に戻り、「先行詞」となる言葉が「人」「人以外」「人・モノの区別なし、あるいは文脈上特定されている語」のどれかを考え、関係代名詞を選べば良いわけです。
今回の場合、先行詞は「人」を表し、かつ「主格」ということになるので、ここで選ぶべき関係代名詞は「who」ということになります。
→ 正解: The students ( who ) can speak both English and Chinese do not have to take this test.
ついでに、この英文の日本語訳は、「英語と中国語の両方を話すことができる学生達はこのテストを受けなくても良い。」となります。
さて、次回は、いよいよ、「日本語の文から、関係代名詞を使った英文を完全に作り出す方法」について解説していきます。
どうぞお楽しみに!