関係代名詞が使われるのは、以下のような場合です。

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■「主語+述語動詞」を含んだかたまりが、文中の「名詞」を修飾し、その名詞の意味の範囲を狭めるような場合。
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例えば、前回ご紹介した以下の文を見てみましょう。

「彼女は彼女のお母さんが作ったパンを売りたがっている。」

この文は、元々は「彼女はパンを売りたがっている。」という文でした。

ここに「彼女のお母さんが作った」という部分が入り込み、文中の「パン」という名詞を修飾していると言えます。

「彼女のお母さんが作った」という部分によって修飾されることで、パンはパンでも、「世界のどんなパンでも良い」ということではなくなりました。

「彼女のお母さんが作ったパン」「そうではないパン」に分けたうち、前者の方のみについて述べていることになるのです。

つまり、「主語+述語動詞」のかたまりが、文中の「パン」という名詞を修飾し、パンの意味の範囲を狭めている、ということになるります。

さて、このような日本語の文を英文にする際、「関係代名詞」が使われます。

では、関係代名詞が使われるような場合において、「日本語の文」から「英語の文」への変換の手順について説明します。

 

1. 文中の「名詞」を修飾している「主語+述語動詞」を含んだかたまりの部分を「形容詞節」と言う。まずは「形容詞節」の部分を除外し、それ以外の部分で「英文」を「頭の中で」作ってみる。

→上記の例では「彼女のお母さんがつくった」の部分が形容詞節なので、残りの部分「彼女はパンを売りたがっている。」のみを英文にしてみる。

→すると、「She wants to sell bread.」となる。これは「文」なので、「大文字」から書き始め、最後には「ピリオドなど」をつけること。まずはここまでを頭の中でやってみる。

 

2. 次に「形容詞節」の部分のみを英語にしてみる。

→上記の例では「彼女のお母さんが作った」の部分が形容詞節と言えるので、この部分のみを英語にしてみる。

→すると、「her mother made」となる。これは「文」ではなく、「文の一部」として機能している「節」なので、まだこの時点では、先頭の文字を大文字にしたり、ピリオドなどをつけたりしない。

 

3. 「2」で作成された「形容詞節の英語」を、「1」で作成された英文の中に入れてみる。

→日本語の場合は、「修飾する形容詞節」と「修飾される名詞」を比べると、「修飾する形容詞節」の方が「前」に置かれている。(「彼女のお母さんが作ったパン」という具合。)
しかし、英語では、「修飾される名詞」の方が「前」に置かれ、「修飾する形容詞節」の方が「後ろ」に置かれる、という絶対的なルールがある。
よって、上記「2」で作成された「形容詞節の英語」の部分を、「1」で作成された文の中にある「修飾される名詞」の後ろに置いてみる。

→上記の例では、「形容詞節」は「her mother made」であり、「1」で作成された文は「She wants to sell bread.」である。

→ 「1」で作成された文の中で、修飾される名詞は「bread」なので、この「bread」の後ろに「my mother made」という形容詞節を置いてみる。

→すると、「She wants to sell bread her mother made.」となる。

 

さて、ここまででは「関係代名詞」が出てきませんので、ここでさらに「関係代名詞」を文のどこかに入れ込む必要があります。

ただ、その話は、「関係代名詞だけが含まれていない英文で、どうやって関係代名詞を選べば良いか」ということになり、既に何回か前の記事で説明しました。

次回、改めてその説明をします。
どうぞお楽しみに!