日本語では「カタカナ」で表示されながら、そのままでは「英単語」として認識されない言葉があります。

それをご紹介していくシリーズの「022」番です。

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022:「イブ、イブニング」

昨日はクリスマスイブでした。

「イブ」というのは、英語では「Eve」と書かれます。

「Eve」のことを「イブニング」の略称と思っている方もいるかもしれませんが、ちょっと違います。

「イブニング」は英語では「evening」と書かれ、これは「晩」という意味になります。

クリスマスイブを英語で書けば、皆さんご存じ「Christmas Eve」となるのですが、これは決して「クリスマスの晩」という意味ではありません。

「Eve」というのは、「前夜」や「前日」という意味なのです。

時には「前夜祭」の意味となることもあります。

クリスマスは「12月25日」ですから、「Eve」を「evening」と解釈してしまうと、それは「12月25日の晩」となってしまいますが、そうではありませんね。

クリスマスイブというのは、「12月25日の前夜・前日」という意味なので、「12月24日」ということになるのですね。

さて、「Eve」は辞書には「eve」と載っているはずです。ただ、実際にこの単語が使われるのは「Christmas Eve」か「New Year’s Eve」など、ほとんど決まった場合に限られます。

従って、「eve」の最初の「e」を大文字にして「Eve」と表示し、「固有名詞」のように扱うのが普通です。

さて、「Eve」にしても「evening」にしても、日本人が「イブ」や「イブニング」と発音して、まあおおよそ通じることと思います。

「Eve」を発音記号で書くと、[íːv]となります。

また「evening」を発音記号で書くと、[íːvniŋ]となります。

お気づきかと思いますが、最初の「e」の文字は、アルファベットで「イー」と発音するのと同じように、「伸ばして発音」するのが正解です。

つまり、日本語では「イブ」や「イブニング」と発音されますが、英語では「イーブ」や「イーブニング」というように、最初を「イー」と伸ばすと良いのです。

それから、「v」の文字の発音ですが、これは、「上と下の唇」をピッタリ閉じてはいけません。

下唇のやや内側を、上の歯に軽く当て、その隙間から「空気がこすれながら出てくる」という音を出します。

これは「f」という文字の発音とほぼ同じです。

「Eve」も「evening」も、「v」の文字を発音する瞬間は、のどから「ウ」という声を出さないのが普通です。

一般の発音の教科書には、「fは無声音、vは有声音」と説明しているのが普通です。

しかし、実際にはそうではありません。

「音声学」という学問でそのように教えているからと言って、そのことが「現実と合致している」とは限らないのです。

このことは「sとz」「tとd」「pとb」にも言えることです。

前者が「無声音」で、後者が「有声音」と説明している本はたくさんありますし、そう思い込んでいる人もたくさんいます。

でも、少なくとも、一般的な北米発音では、「f」も「v」も、直後に「母音」の音が入っていない場合(語尾の場合も含む)には、どちらも「無声音」となります。

では、「f」と「v」はどうやって区別するのか?という疑問がわいてきます。

しかし、区別はつきます。それができるのが人間なのですね。

まあ、これについては、実際に音を使って説明しないと分かりづらいかもしれません。

機会があれば、日頃からネイティブたちの話す英語を注意深く、よく聞いてみてください。

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さあ、いかがでしたか?
またランダムでお届けしますので、次回をどうぞお楽しみに!

※ここでご紹介した発音は、デュープラー英語学院で毎月開催される「発音教室」で練習します。興味のある方はこちらをご確認下さい。→「発音教室&英会話」開催情報

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