前回、人はたいてい誰でも、程度の差はあれ「現実逃避」というものをしてしまう、と書きました。
現実逃避する理由は、その原因となるものが「強いストレス」となっているからです。
強いストレスから「逃げたい」「遠ざかりたい」「思い出したくない」と感じるのは、普通の人間ならば当たり前のことです。
無理矢理「強いストレス」に対抗して、「逃げず、遠ざからず、正面から受け止める」ということばかりしていると、人間、そのうち身体や精神が参ってしまいます。
ひどい時には「うつ病」などの精神疾患にまで及ぶこともありますので、「無理矢理対抗する」というのは、少し注意が必要です。
では、そのまま「逃げる」「遠ざかる」「思い出さない」ということを続けて問題が解決していくかと言えば、実際はその逆にだんだん状況が「悪化」していく可能性があります。
放っておいたら悪化していくようならば、現実逃避している場合ではありません。
では、どうしたら良いでしょうか。
まずやるべきは、「具体的なアクション」を起こす前に、自分が逃避している対象の事柄について、自分の「意識」を高めるということです。
現実逃避している間、人はそのことに対する「意識」が低下しがちです。
つまり、そのことをあまり「思い出さない」ようになってしまっています。
「思い出さない」まま時間が過ぎると、気がついた時には収拾が付かないほどに事態が悪化していることもあります。
そこで、そのような事態にならないために、そのことを「思い出す」という努力をしなくてはなりません。
では、現実逃避している事柄に対する「意識」を高め、思い出すためには何をすれば良いでしょうか。
色々な方法があると思いますが、効果的な方法の1つに、現実逃避をしている事柄が発生している場所に「足を運ぶ」というものがあります。
人は、「足を運んだ先」のところに意識が行くものです。
例えば、、、
「銀行」や「郵便局」に足を運んで、自分の通帳に記帳すれば、「お金」に対する意識が高まります。
しばらく銀行や郵便局に行かず、記帳もしないでいると、徐々にお金に対する意識が薄れてしまう可能性があります。
例えばクレジットカードばっかり使っているとこのような事態になりがちです。
「お金」に関わる場所に足を運べば、「お金」に関する意識も高まるというものです。
以下のことも同様です。
「体重計」のあるところに足を運んで、実際に体重を量ってみれば、自分の「食事量」や「運動量」に対する意識が高まります。
「病院」に足を運べば、自分の「身体」や「健康」に対する意識が高まります。
「一生懸命働いている人」のところに足を運べば、「就職活動」や「今の自分の仕事」に対する意識が高まります。
「英語が使われている環境(例えば外国)」に足を運べば、「英語学習」に対する意識が高まります。
足を運ばなければだんだん「意識」も低下していきますが、「足を運ぶ」ということを実践してみると、「なんとなく遠ざけていた現実」を目の当たりにすることになり、少なからず「意識」が高まります。
「意識」が高まれば、自分が現実逃避していた事柄に対して、少しでも、何かしらのアクションを起こす可能性が出てきます。
私も、去年の夏に南三陸町へ足を運んだ直後は、被災地に対する「意識」が相当高まりました。
しかし、足を運ばないでいるうちに、だんだんと「意識」が薄まってしまいます。
本当は、足を運ばなくても、いつまでも自分自身で意識を高く保ちたいものですが、日々の忙しい生活を過ごすうちに、残念ながら意識というものが低下していってしまいました。
自分では「これではいけない」と思いつつも。
このように意識が低下することは、誰にでもあります。
しかし、「足を運ぶ」ということによって、再び「意識を高める」ということは誰にでも通じることだと思われます。
現実逃避している事柄に対処するために、何よりもやるべきことは、「そのまま忘れて放っておく」という事態にならないよう、「意識を高める」ということなのです。
「意識を高める」ということから始めていき、少しずつ「何ができるか」を考えていくと良いでしょう。
具体的な策を考えたり実践したりするのは、「意識を高める」ということの後になります。
ただし、これはあくまでも身体や精神が「健康」な人の場合の話です。
身体や精神が疲れていたり、参っていたり、病んでいる場合には、さらにもう1つ、別の角度からのアクションが必要となります。
それについては、また次回ご紹介します。
<続く>