そして、「予定通りに終わらせる」ことができない原因として、以下のことが考えられます。
■原因1: 自分の処理能力に対して、そもそも仕事の量が多すぎる。(計画の段階での時間の見積りが甘い)
■原因2: 途中で邪魔が入ってしまう。(人に話しかけられたり、中断を余儀なくされたり)
■原因3: ある程度まで完成しても、その完成度で納得できず、もう少し完成度を高めたいと思ってしまう。
原因1と2については昨日書きました。
今日は原因3について考えてみたいと思います。
「ある程度」まで仕事が完成していても、「もう少し良くなるのではないか?」という気持ちが芽生え、ついついそのまま仕事を続けてしまうということは誰にでもよくあります。
ここで時間管理の最大の敵となるのが「自分自身の満足度」というものです。
「自分自身の満足度を十分に満たす」ということと「時間通りに終わらせる」ということを天秤にかけた時に、前者が勝ってしまえば簡単に「時間オーバー」という結果になります。
時間管理がうまくいかない人に共通しているのは、もしかしたら「自分自身の満足度を十分に満たそう」という意識が強いということかもしれません。
例えば、仕事で1つのメールを送らなくてはならないとします。
送り先が「仕事の取引先」など、きちんとした対応をしなくてはならない時には、メールの文章もいい加減であってはなりません。
内容を整理し、伝わりやすい表現を考え、誤字脱字などにも注意が必要です。
そうやって慎重にメールを書き上げて、さあ「送信」と思った時に、「いや、待てよ、もう一度読み直そう」となることでしょう。
もう一度読み直そうとすること自体は良いことだと思います。
ところが、一度読み直す程度ならば良いのですが、「ここは別の表現にした方が良いかな」とか「ここはもう少し詳しく説明を書いた方が良いかな」とか、つい細かな点にまで気になりすぎてしまい、必要以上に見直したり修正したりを繰り返すのはよろしくありません。
「何時までに終えるぞ!」という意識がない人は、このような「見直し&修正」を延々と繰り返してしまいます。
このような人に欠けているのは「多少の間違いがあっても、後でなんとかなる」という意識だろうと思います。
「後でなんとかなる」とは思えず、必要以上に「心配性」な人ほど、「見直し&修正」に時間をかけてしまうものです。
このような人にとっては、ある程度の完成度が見えた時点で、「残り時間」との兼ね合いを見ながら、「えい、これで行こう!」と決断することがとても重要です。
えいや、と決めてしまう覚悟があれば、時間通りに終わらせることができます。
時間通りに終わらせることができないのは、その人の能力が低いのが原因なのではなく、必要以上に心配性になってしまっているからなのかもしれません。
そして、1つの仕事を時間通りに終わらせることさえできれば、その次の仕事を無事に「始める」ことができるわけです。
時間管理というのは、誰にとっても難しいものです。
最初のうちはうまくいかなかったとしても、やり続けていれば少しずつうまくなるものです。
「終わらせる」という意識を強く持ちながら、頑張って続けてみましょう。